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隻眼の竜  作者: 白木
73/938

治療

「・・しかし、そこまでやられるとなると管理の方は・・?」

「大変ですよね、想像を絶すると思います。勿論磯川さんを始め、色んな方が賛同して下さっているんで、今は進める段階に来ていますね」

「凄い方だ・・到底そのバイタリティーは真似出来ません」

「それだけ、川上さんは、今の状況を憂えて居られる訳です」

「はい・・」


 この競翔界に入って、間もない矢内であるが、周囲には、川上氏を頂点とする多士済々の人達が居る。自分の人生観すら変えてしまうような人達との出会いの中で、芳川の話にも聞き入っていた。

 そして正式に、間もなくの事、磯川がパイロン3世号の主流血統を川上鳩舎に委託した。殆どの鳩が関西の鳩舎に流出したが、白川系との合同管理の中で、どんな結果を残せるのかと言う、期待感がある。競翔界にあって、これこそが、究極の試みだろう。

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