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治療
車中で、ぷりぷりと町田が怒っていた。
「ねえ、矢内さん、私の事をどう思ってるの?」
町田が聞く。
「え・・どうって・・」
矢内が路肩に車を停止した。
「私の事を好きか、嫌いかって事」
町田が矢内を見詰める。
「そ・・そりゃあ、君は我が社一の美人だし・・」
「他には?」
「良く気が利くし、しっかり者だし」
矢内が答えると、
「じゃあ、結婚対象としてどうなの?」
「え・・いや、急に言われてもさ。俺は、今まで女性と付き合った事が無い男だ。だから、君にとっては退屈かも知れないけど・・」
町田が少しムッとした。




