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隻眼の竜  作者: 白木
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治療

「あの・・香織さんは・・?」

「ふふ。香月君が帰国してるんで、出店及ばず・・です」


 日下部氏が笑った。


「成る程・・では失礼します」


 矢内が意気揚々として自宅へ戻った所に、町田から電話が入った。


「もう!どこへ行ってたの、矢内さん。今日はデートの約束してたでしょ?」

「あ・・うっかりしてた。今から行くよ」


 矢内が慌てて支度を始める。

 デートとは言えど、8歳年下の娘。付き合っていると言えども、何となく彼女とは距離があるように感じていた矢内だった。一方町田は、一向に煮え切らない矢内に少しいらついていた。

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