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隻眼の竜  作者: 白木
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治療

 こうして、矢内の鳩は香月に預けられる事になった。

 処置は割りと簡単で、網膜に薄いシールを貼る事で、再び矢内に戻された。


「良いですね?矢内さん。これから1週間は舎外をさせず、鳩舎に暗幕をして隔離して下さい。それに主翼も少し切っておりますから、舎外に出す時も長い時間は駄目です。メニューはここに書いてありますから、ご参考に」


 細かいメモだった。矢内は何度も香月に礼を言い、S工大を後にした。その足で日下部ペットショップに足を向ける。


「矢内さん、どうですか?」


 日下部氏がヤンセン系の孵化について訊ねる。


「現在7羽誕生して、今番を交代して次の孵化を待っています。先の仔鳩達はもう空を飛んでいます」

「順調ですね。それと磯川さんの所からアンダーソン系を導入されているとか。こりゃあ、凄い新人が現れたって、皆言ってますよ、ははは」


 日下部氏が笑う。

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