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隻眼の竜  作者: 白木
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矢内健二と言う男

「義父の言う、合同鳩舎、或いは委託鳩舎。こう言う施設が全国各地に広がれば、願っても無い事でしょう。先ほどから議論のある事情で鳩競翔を辞められた方、飼えない方の為の受け皿になるでしょうから」


 何度も小谷とお邪魔しながら、川上氏の狙いを見抜けなかった矢内。やはり、全く香月と言う人は視点が違うなあと思った。


「しかし、いざやるとなれば、維持する諸経費、人手・・並大抵では無いよ。個人でやろうとしたら大変だよ、それは」


 水谷会長が言う。それは、周囲も頷いた。


「それをこれから考えるんでしょう」


 磯川が言う。そう言うからには、磯川の回転の速い脳裏には、何かアイデアが浮かんでいるようだ。

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