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沸き起こる激情
何を言わんとするのか、矢内には分からない。
「お2人は、50年後、100年後も見据えた競翔界を考えています。矢内さん、少なくても私は「命」と言う現場に直面する医師です。生と死・それを軽々しく論ずる事は出来ません」
「若先生・・」
困惑しきった表情で矢内が言うと、
「嘗て香月君は、その精神の疲労が極致に達する程苦しみ、悩んだ末に紫竜号を死地に送り込みました。彼の意識の中では、紫竜号だからこそ達成出来るだろうと言う目的も、先ほど言いましたように万物自然の法則の中では、所詮人間の浅知恵にしか過ぎない事です。師を激怒させたその訓練の名においても、紫竜号は香月君に大不信を抱きました。師は決して容認等しないでしょう。それが結果として、どれだけ隻竜号を助ける方策であったとしても。」
「・・若先生・・」
磯川流使翔法の真髄として、どんな方策があると言うのか、それ程口に出すのも躊躇する訳が・・




