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隻眼の竜  作者: 白木
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矢内健二と言う男

 時を同じくして、東神原連合会で活躍した浦部も、数人の競翔家に見送られて、香山市の会社の寮へ引越し。去る者が居れば、入会する者も居る。時は流れている。人が生活をする以上、趣味を第一としては、殆どの者は生きられない。

 一週間後、香月が戻って来た。新川上鳩舎で、バーベキューパーティーをやろうと言う事で、連合会関係者が集まった。参加したのは主だった者で40名程。その中に、磯川の姿もあった。何よりも香月の帰国を待ち望んで居たのは、香織以外には、磯川だろう。川上氏を中心とした大きな輪の中に香織を始め、日下部夫妻が居る。高橋前会長現相談役、水谷現会長、そして、佐野、北村。小谷の横には矢内が居る。


「真っ黒になったなあ、香月君」


 高橋前会長が言うと、


「高橋相談役も、お変わりなく。近頃は腰を少し悪くされているようですが、具合はどうですか?」

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