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矢内健二と言う男
「え・・?あ・・カオリン・・どうして?」
矢内がぽかんとしている。カウンター奥のソファーに3人が座った。
香織と町田は同じ中学の卒業生。現在24歳。
「私ね、香織と同じ中学校で同級生。でも、本当に久し振りよね」
町田が言うと、
「中学を出て、成人式の時会って以来かしら」
香織が答える。
「ここで働いてるの?」
「働いてると言うか・・殆ど無償でお手伝いしてるの」
「へえ・・ここのショップの親戚か何か・・?」
「まあ・・似たようなものね。する事も今は無いし」
矢内も少し興味があった。余りに香織について知らなさ過ぎる。香月一男の奥さんと言う以外は。




