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隻眼の竜  作者: 白木
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矢内健二と言う男

 矢内が店内に歩を進める。少し離れて町田が着いて行く。


「まあ、矢内さん、いらっしゃい」


 丁度香織がカウンターに居た。


「どうも。先日は有難う御座いました」


 商品棚の陰から町田が歩を止めて2人を見ている。随分親しそうな様子だし、綺麗な女の人・・町田が、そこから少し進み出た。


「ははは」「ほほほ」楽しそうに2人が喋っている。それにどうだ、矢内のあの顔は。職場では見た事も無い笑顔では無いか。その時・・


「あ・・?まっちゃん?」


 突然香織が言う。

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