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隻眼の竜  作者: 白木
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矢内健二と言う男

 町田が少し、にやっとした。社内でも評判の美人、その矢内へのアタックが始まった。


「じゃあ・・今度の日曜日」


 とうとう、矢内と町田がデートの約束をする事になった。しかし、幾ら変貌しようと矢内は矢内だ。その本質が変化した訳では無い。

 まず、待ち合わせに現れた矢内の姿に町田がムッとした。まるっきりの普段着の軽装で、おしゃれを決め込んで来た町田とは余りに不釣り合い。不機嫌な表情の町田が矢内の車に乗り込んだ。


「どこ、行こうか?」


 矢内が聞くが、どうにもじれったい。町田の不機嫌は増して行く。

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