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隻眼の竜  作者: 白木
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一目惚れ

 敦美さんと、香織が再び店内から立ち去る。その後ろ姿を矢内が見ている。

 佐野が、その様子に少し気づいたか、にこっとして


「綺麗な女性でしょう?香織さん」

「え・・ええ!輝くような美人です」


 矢内が答えると、


「でも、残念、矢内さん、既にあの女性は人妻ですから」

「え・?」


 佐野がその心情を看破したか、矢内の表情を見る。


「知らないですか?香月君の奥さんですよ。川上さんの一人娘さんでもあります」

「え・・じゃあ、手記にあった・」

「そうです、香月君とはその本人です」

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