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隻眼の竜  作者: 白木
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序章・・

 人は生きて行く上で、様々な環境の中で無数の制約に縛られねばならない。まして、勤め人と言う立場の者は、常に会社組織と言う所に人生の大部分を占める制約を受けている。それは、仕方の無い事かも知れないが、矢内とて例外で有り得る訳が無かった。

 帰宅時間は時にはPM11時を過ぎ、しばしば激務が続く。お陰で、身長168センチと小柄ながら以前は80㎏あった体重が、現在は63㎏と、かなりスリムになっている。

 そのせいか、全く以前は女子社員の話題に上る事も無かった男だったが、


「ねえねえ、矢内って最近格好良く無くない?」


 女子社員がささやく。


「そうよねえ・・以前の白ブタとは大違い。けどさあ、あの野暮ったさは変わんないけど」

「きゃはは、それは、そう」


 しかし、以前とは周囲の目が変わりつつあるのも事実であった。

 この晩、割りと早めに帰宅した矢内に、一本の電話が掛かって来た。磯川からだった。退院後の経過を聞く磯川。忙しくて、病院にあれから行っていない矢内を心配しての電話だった。

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