むかし見た木
町の外れに大きな木があった
どんな名前の木なのか僕は知らない
だけど、その木がすきだった
時間を見つけてはそこ行き
その太い幹に手を当てた
力強く感じられる、命の鼓動
途切れることがなかった、水の流れ
それらは、生命力となって
僕に流れてくるような気がした
どれだけ辛いことがあっても
そこへいって、木の命に耳を傾けると
心が落ち着いた
そうすると、周りが見えてくる
しなくちゃいけないことがわかって
頑張りたいっていう思いが生まれる
空は雲に覆われていても
僕の心だけは晴れ渡っていた