1-1 非日常のスタート
この作品はフィクションですので、現実と一切関係ありません。
人には、「昼の世界」と「夜の世界」がある。それを人は『夢』という。
俺は夢を見ることができなくなった、あの日以来。俺が見る「夜の世界」は……
「ppppppppーーーーーーーー」
いつも聞くアラームの音。なぜか今日は大きく聞こえた。この音を聞いて俺の日常は始まる。
「ふぁ~~ねむ……。学校行きたくねぇ~」
俺の名前は神山光。龍円学園に通う高校2年生だ。学校は楽しい。しかし面倒くさいと思うのは学生の性だろう。案の定、そこにいつものうるさい妹が来た。
「兄さ~ん、起きてる?遅刻するよ!」
「はいはい、起きてますよ」
妹の名前は優。元気すぎて困る妹だ。
「いただきます」
2人で朝食を食べる。朝は妹の担当で夜は俺。食べ終えてゆっくりしてから学校に出発。
俺が龍円学園に通っている理由は徒歩5分だからである。
教室に入ると、これまたうるさい奴が声をかけてきた。
「おいっす~~~!光ちゃん、元気~?」
「見てのとおり、今日も憂鬱だよ…… お前は相変わらず元気だな、惚れ惚れするよ……」
こいつは俺の小学校からの腐れ縁、所俊介である。変態だ。
俊介と朝は他愛のない会話をして一日授業を受ける。そして帰りは一人。これが俺の日常だ。平和で退屈だが、俺はこの日常が好きだった。
もちろん今日も一人で帰っていた。途中、女の子が道端で遊んでいた。
「これも日常だな、うんうん」
と一人で幸せを噛み締めていたら女の子の前から車がいきなり曲がってきた。俺はとっさに飛び出た。そして……俺の日常は非日常になった。
「お~~~~、誰もいない……。俺は死んだのかな、はぁ~~」
目を覚ますと、そこには別世界が広がっていた。すごい先進都市だ。誰もいないということはやっぱり死んだんだな。あっけなかったな、俺の人生……。
「すいません、大丈夫ですか?」
寝ている俺に女の子、同い年くらいの子が声をかけてきた。
「質問してもいいか?ここはどこでお前は誰だ?やっぱり俺は死んだのか??」
俺の思っていることを全部言った。焦りすぎていると思ったが女は丁寧に答えてくれた。
「質問するってことは、ここに来るのは初めてなんですね!わかりました、説明するのでついてきてください!!]
なんでこの女はこんなに笑顔なんだよ。そう思い、とりあえず立ってみた。体はなんともない。
「まず自己紹介をしましょう。私の名前は前原仁美、16歳です。仁美と呼んでください!あなたは?」
「俺は神山光。俺も16だ。よろしく。」
「光君ですね。ではこの世界の話をしましょう。ここは『クリワード』という名前の世界です。そしてあなたは死んでいません。世間一般で言う幽体離脱した世界です。だから現実とあの世の狭間ですね。人が全然いないのは、まだ現実が4時くらいだからですね。こちらも質問してよろしいでしょうか?死んだのかと聞いていましたが、現実でなにかあったのですか?」
……やばい。まったく意味がわからない。とりあえず質問に答えないと失礼だな。
「あぁ。車に轢かれたんだよ。ここにいるってことは要するに生きているんだよな!」
「はい、確かに生きています。ただ、もしかすると今意識不明になっているのかもしれませんね……」
待て待て。それはすごくやばくないか。この間に死ぬかもしれないわけだろう。落ち着け、俺。
「じゃあどうすれば戻ることができる?早く戻らないと死ぬかもしれないわけだろう?」
「焦らないでください。大丈夫ですから。」
大丈夫ってまじかよ。しょうがない、仁美にしばらくは従おう。ただ、早く戻らないと優が……。
なんとしても戻ろう。
その時、俺は決心した。
初めて書いたのでアドバイスをお願いします。