第3章 謎の駆逐艦
1942年ミッドウェー海域
「マジか」
「あぁ本当に昭和の駆逐艦だな。」
「俺らあの船に乗艦するのか?」
「まぁもしもの時にはな」
護衛艦さざなみの艦内は緊張感が高まる状況だった。
突如現れた謎の駆逐艦。艦名不明であり形は雪風などの駆逐艦に酷似しておりおそらくミッドウェー海戦の残存艦説が有力だ。そして護衛艦さざなみはいつでも90式対艦誘導弾SSM-1Bを発射できる体制になっていた。
大日本帝国海軍 第二艦隊 所属 駆逐艦雪風 艦橋
「艦長!大丈夫ですか!」
「あぁ大丈夫だ問題ない」
彼は飛田健二郎。駆逐艦雪風艦長だ。鹿児島市川内一中出身であり海軍兵学校第50期卒業。そして奇跡の駆逐艦雪風の艦長。
「艦長!駆逐艦が来ます。日の丸がありますがどうします?敵の模造艦の可能性もありますが」
「敵でも味方でもどちらでもいい。今はアメリカ海軍に見つかっても死ぬよりかはマシだ。」
「こちら海上自衛隊護衛艦さざなみである。貴艦の所属を願いたい。」
「こちら第二艦隊所属駆逐艦雪風である。貴艦は日本海軍か?アメリカ海軍か?」
「それは言えないが、これだけは言える。我々も貴方と同じ日本人だ!」
「それは良かった。我々はアメリカ海軍かと思ったからな。」
「それで?我が駆逐艦雪風をどうするのだ?」
「何とかして曳航してみます。ですがそのためには日本海軍と話し合わなければ行けません。」
「分かった。それは我が駆逐艦雪風が訳を話そう。」
「ありがとうございます。」
「あと、名を聞いてもいいか?」
「はい。私は海上自衛隊第4護衛隊群所属護衛艦さざなみ艦長清水圭です。」
「分かった。私は大日本帝国海軍第二艦隊所属駆逐艦雪風艦長飛田健二郎中佐だ。」




