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第1話 俺の転生は、こうして狂った

基本的にカクヨムの方が更新されておりますので

先が気になる方はURLからどうぞお入りください。

今の所、投稿して1ヶ月少しpv26000を超えました。

異世界ファンタジー部門で100以内に入っております。

ファンの皆様に愛される作品を作っていきたいと思いますのでよろしくお願いします。


https://kakuyomu.jp/works/16818093094880456084



俺は30代の何処にでもいる

サラリーマンだ。


いや、だった……が正しい。



色々な事が急すぎて自分の身に何が起きたのか、わかっていてもまるで人ごとの様に感じが。



あの日の朝。

仕事中に背中側から激痛が走った。あまりの痛みに意識が失う感覚と、倒れた所までは記憶がある。



ふと目覚めたら大学病院。

告げられたのは余命3ヶ月というふざけた話だった。



気づいた時には、すでに手遅れ。

所謂サイレントキラーというやつだ。

既にどうしようもない程までに進行した膵臓癌で俺は入院していた。



サラリーマン生活だって。

別にブラック企業とかそうこともなく。

至って普通の社会人生活を送っていたと思う。


身体が病気持ちとか、精神を病んでたとか

そんな事は特になく。

それ等とは無縁の生活をしていたんだ。



ただ、運が悪かった。それだけなんだと

思う。



___とはいえだ。


こんなもの考えれば考えるほど憂鬱になる。急に言われた余命3ヶ月。


当然ではあるがそんなの言われて


「はい分かりました」


と消化できる奴がいる訳でもないが。

何かやって気を紛らわすのが1番だ。



隙間時間は今の所無限にあるもんで

最近趣味になったネット小説を読む。



最近ハマったのはよくある転生系の小説だ。「ありえねー」とか考えながらも。

これはこれでまた良いものなのだ。



自分が好きな小説が更新されているのを見つけた。




さて見るかっと。

スマホを手に取って.......




____それはいきなりだった。




これまでに経験したことのない激痛が身体に走る。あまりの痛みで、またあの時のように意識が遠のいていくような......



ただ。

前と違うのは身体から何か大切なものが抜けていく。



そんな奇妙な感覚があったんだ。


冷静な部分がコレは駄目だなと悟る。


あぁ…せめて更新された部分は読みたかったな



そんな事を最後に。

心の中で嘆いた。


あっという間に視界が暗くなる。



あぁ寒い。




____暗いどこかに



何処までも



何処までも



堕ちていって......






________________







何処からか何かが拾い上げられる感覚と共に。世界が反転し真っ白になる。



___いや....


真っ暗から真っ白までの感覚のスパンおかしすぎるやろ。


感覚的には一瞬やぞ。



真っ白な視界もそうなのだが。

明らかに何かに持ち上げられた感覚があった。


いくら癌でガリガリになった体とはいえ、成人男性の体を早々簡単に持ち上げられるはずがないんだが。



一体何が起きた?

眩しすぎてまともに見えないが。

うっすらそこに見えたのは所謂イケオジ。




…って、誰!!??


ほんと誰!?!?




声を上げようにも、上手く発声できない。というか出せてもかっこギャーギャー甲高い声しか出せない。

それどころか、薄っすらと見える俺の手足、短いどころか..........



嘘やろ?あれか?転生した的なやつ?


死んで生まれ変わった的なやつか?




意識失ってから今に至るまで

畳み掛けてる感凄いな。


こんな感じなんか?


いや経験談とか当然ないから

知らんけれども。



完全にパニックのせいだろう

睡魔が襲ってきた。


いや....そりゃ赤ちゃんやしな


眠たなるわな....



____っと最後に心の中で呟き


今度は寒くなかった。


暖かい腕に包まれる感覚



そのままき微睡の中へ。


意識を落とした。



_____________






どうやら俺は摩訶不思議にも


転生なるものを体験したらしい。



あのイケオジに抱き上げられた衝撃から約8年ほど経つが、この間はずっと驚きの連続だった。



そもそもここは俺がいた地球ではない。



それに気づいたきっかけは腐るほどある。

あえて言うならば月.......


此処では月を(ルナ)と呼ぶが。

夜空に大きく2つある時点でバカでも気づく。



あと驚いたのは..........そうだな。

俺が転生した家はヴァンガルド家。

所謂、貴族であった。

それも辺境伯という、実質侯爵と同等位の上級貴族だ。



やったぜ!!!

左団扇な人生ゲットだ!!

ありがちな奴!!

ありがとうございますぅ!!!



とかなんとか思ったわけなのだが。

現実は辛い。




5歳ごろからだろうか

この頃から謎にさせられる訓練が尋常ではなかった。


自由な時間はほぼ無し。

早朝は明るくなる頃から走り込みが始まる。


倒れる迄走らさせられる。

てか、倒れても容赦なく走らさせられる。


.......戻した回数なんぞ


親の顔を見た数よりも圧倒的に多い。


いくらなんでも

あんまりで。

頭が可笑しい教育方針であった。



幸い身体が頑丈でやけに体力があったからだろうが。


なんとか喰らいつくことは可能だった。

異世界ボディというやつだ。



日が登りはじめてからは

剣術、槍術、体術、魔法ect...


兎にも角にも戦闘行為に直結する訓練があまりにも多くて辟易する。



毎日余す所なくしっかりボロボロになる日々である。


お父様が居た日にはボロボロ超えて

ボコボコの血だるまだ。


なんど虐待を疑った事か。


こんなのが毎日だ。

そんなもん当然無理が生じるに決まっているのだが。


やはり魔法。

魔法は全てを解決する。



治癒魔法

しっかり元気だ

飯が美味い。



いや、美味しく無いです。

治癒魔法いらないです。


いや、いるけども!!!!!!!

全然元気になりたくないです!!!



もう勘弁してください。


俺は5歳なんですよぉ~!!!


6歳ですよぉ~!!


7歳ですよ......


っと歳を重ねる都度3つ。


10万回は心から願ったと思う。

でも叶った事は無論ゼロだ。


素晴らしきかな異世界転生。


都合がいい願いを叶える神はいないんだ。





てか、そもそもなぁ。逃げたい!

とかそのへんの言葉.........


要はマイナス感情をね。

なぜか人がいる所では積極的には口に出せないんよ。


言おうとしても、なんか嫌な予感がして

身体が動かなくなるんだよなぁ


淡々と訓練しやがって!!!

なんか魔法かけられてるだろ。

明らかにバグってんだよなぁ......




....クソが!!!!


あと俺は貴族だろ!?





貴族教育としての教養はええんか??

帝王学とかその辺は!?

1対9の割合で勉学がなさすぎる。


睡眠と飯、排泄以外はほぼ訓練三昧だ。




まぁそれでも魔法の訓練は比較的楽しかった。

初めて見た魔法には感動したものだ。

我が家のメイドが何もないところから水を出したり、風を操り洗濯物を乾かす。


そんな光景を初めて見て魔法を知った日以後には、毎日お母様に魔法を見せてと甘えたものだった。



....まぁ寝っ転がるしか出来ることがない

乳幼児期に。

自分の身体に何かよくわからないモノが流れている事がわかってたんだ。


それに気づいて以来、延々と回したり出したり戻したりと遊んでたから。

ナニかあるんだろうなぁ。

とはわかってはいたんだけども。



.....だだなぁ



魔法の本格的な訓練が始まってからは魔法にはワクワクというより。

耐える事に大変だった。



火炎や石礫といった魔法が四方八方から飛んできては避け。

迎撃して撃ち落とす。



何なら、時には敢えて腕や足を火傷をした状態から魔法を制御する訓練を行っていたりする。


有名な貴族の台詞にな。

貴族たる者どんな時でも余裕を持って

優雅たれ。

とかいった奴がいるがな。



ばかタレ。

いや、それ無理!!

という話だ。


 

どう考えても頭がおかしい訓練が多すぎる。



でもまぁ.....

こんな虐待じみた訓練には

当然それなりの理由があるわけなんだ。








身をもって「恐怖」を思い知ったよ





________________






_____走馬灯のように


過去が頭をよぎっていく。







過去の記憶なんか正直どうでもいい。





____あぁ

ほんとに。

たった今、そんな事どうでも良くなった。




この目の前の....

どこまでも惨く酷い光景よ。

夢なら覚めてくれ。




この世界は俺にとって教育方針以外は

最高だった。


魔法とか堪らんよ。

そりゃテンアゲパーリーー!!よ


冒険だとか、なんかもぅ

すんごい色々ファンタジー!!


ってのががあるんだろうなーって........




____そう言う風に思ってたのに。






すべて吹き飛んだ



糞食らえだ。




やたら虐待じみた訓練をさせられてんなーと思ってたけど。


ようやく理由が理解できた。


これは対処療法だ。

日々の辛い訓練で心体ともに耐久性を高めて主に心を強くする為だと思う。




俺が見ているこれは.....

なんと表現すべきだろうか

あえて言うなら





「地獄」だろう。








視界に広がる荒れた大地。

その先のかなり奥には枯れたように見える森が視界の端から端まで広範囲に広がっているように見える。


荒れた大地には約500人はいるであろう

ヴァンガルド家の騎士たちが固まっている。


そして、彼等の一斉の掛け声の後

とんでもなく大きな魔法を放った。


集団で一斉に放つ魔法はものすごい迫力である。


その魔法は一つの火炎の形に纏まって行く。それは最早火炎というより太陽がそこにあるかのようで......


その太陽は目にも止まらぬ勢いで

「ナニカ」に直撃した。




直撃した先に残るのはドス黒いタールの様な粘度質の液体が燃える光景だ。



あれは触手か?

人間の手足の様に見える残骸が爆散し

まるでスプラッターホラーの様な有様である。


ただ、あの太陽が吹き飛ばしたのは

「ナニカ」の一部の群勢のみのようだ。



荒れた大地には、まだ無数の「ナニカ」が這い蹲ったり飛び跳ねたりしながら此方に進軍して来ているのが見て取れる。



中には隣の「ナニカ」から分裂したり、無数の口から黒い液体を撒き散らしながら爆散して散らばる残骸を捕食したりしている。


捕食した側からどんどん人間の腕や足が生え、歪な顔が生成されていく。



.....あれは

人を真似ているのだろうか。

 


少なくとも自然でみるような光景では絶対にない。



あれが生き物には到底思えない。



ぐちゃぐちゃにペーストにした人間の肉塊を。

まるでオモチャのように捏ねて形作ったかのような。そんな有様だ。


悍ましく。

魂を酷く冒涜しているかのような。

倫理観のかけらもない

その其れだ。



あれは、少なくとも生物ではない。

そんな枠に入れていいようなものではない。



___あぁ気持ちが悪い。




後から来た群勢のバケモノ共は

パッと見の範囲で約1000体程度はいるであろうか。



ここは異世界。


生物環境が前世の地球とはまるで異なる。

当然、書籍等からはモンスターなるものがこの世には存在する事は事前に学んでいた。


ただその姿は前世で想像されていた

モンスターの形状と大体同じであった。


図鑑も存在しているのである程度の種類のモンスターの造形は把握しているつもりであった。




なんだけども.....



____あんな図鑑には絶対にいなかった。




あれは一体なんなんだ。

あんな強烈なのは忘れるわけがないんだ。



___と言うことはだ。

意図して隠していたのだ

あのバケモノ共を。





ふとその時。

俺の視界の隅で、ヴァンガルド家の兵の何人かが悲鳴を上げるのが聞こえた。



すぐに振り向くと。

ナニカが人間の腕と手のような異常に長いものを振り回していた。


それを触手のように動かして脚を絡め取ったのだろう。


絡みつかれた触手から必死に振り解き逃げようとするヴァンガルドの兵士が見えた。



だが粘液に覆われたその“腕”は強引に

兵士の体を引き寄せる。



騎士の鎧が嫌な音を立てて引き剥がされ、肌が触手に直接触れた瞬間、まるで溶かされるように肉が崩れていった。



悲鳴は甲高く、耳を突き刺すように戦場に響く。こんなもの見ていられないはずなのに、目が離せない。



バケモノの胴体にある巨大な口に無理やり押し込まれたのか、兵の下半身がずるりと呑み込まれていった。



次の瞬間にはバキボリガリっと肉と骨を噛み砕くような嫌な音が響き渡る。



血と臓器が地面に飛び散り、ドロッとした紫黒い液体と交じり合って奇妙な色を作っている。




闘争の果てに死ぬのは俺にも理解できる。



____だけど、こんなもの....‼︎

俺が知る人間の死に方ではない‼︎



___おぞましい光景に息が詰まる。

胸が苦しく息が出来ない。



脳が現実を処理しきれていない。

何度も何度も脳内であのシーンが再生される。



生命を冒涜しているかの様な造形。


通常の進化の過程では絶対あり得ない様な........




____物凄い不快感。




明らかに出てくる世界観を間違っている。

サイレントヒルとかそっち系だ。

なんならコズミックホラーに出て来そうなそれだ。


深き者とか勘弁してくれ。




本能的な嫌悪感に体の隅々から嫌な汗をかく。



俺の産まれたこの貴族。

ヴァンガルド家。


ふざけるな!!

俺達は一体何と戦っているというんだ!!!!


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