ひとやすみ♡
「……竜ちゃん、急に胎内だなんて、呟いちゃって。どうしたのです?」
虎時が呟いた。
「なんか、私ね、昔見た夢を思い出したんだよ」
「そうなんだ」
淡々と竜の話を聞いてくれる虎時。
「あっ、そうだ。ーー胎内繋がりでうちのお母さん昔髪の毛を緩くパーマかけてたんだって。……加奈さんの優しい笑顔を見たらもしかしたら、私がお母さんの胎内にいた時の体内記憶だったりしてね」
「フゥン……胎内記憶ですか……少し前に『前世療法』なるものを聞いた事があったなぁ。胎内記憶のその先に行ければ竜ちゃん、前世を見る事が出来るらしいですよ」
虎時は含みを持って言った。
そもそも、竜はところどころ前世を思い出していると思うのだ。親の欲目なのかもしれないが。
「じゃなかった、加奈さん、今、私の事『友達』って言った?」
加奈はニコニコだ。
竜はタジタジである。
「私が竜ちゃんのお友達、良いでしょう?」
「ーーいやいやいや……。私、お友達付き合いってよく分からないし……加奈さんの良いお友達には絶対なれないよ」
「竜ちゃん……、すみません加奈さん」
竜が虎時の後ろに回って、キョロキョロ。挙動不審である。
「虎時さん、いいの、いいの。私、こんな見た目だけど、私も友達って慎吾くらいでーーー、あっ、慎吾たちが来たみたい……」
ゆ〜〜むの方から、だんごやぽっぽ焼を両手で大切そうに抱える子供たちとその子供を優しく見つめる慎吾の姿が見えた。加奈が駆け寄って行く。
竜はほんわかして小笠原家族を見送った。
「あれ、加奈さん達またゆ〜〜むの方へ行っちゃった」
竜の呟きに虎時は、東屋のベンチに座る麒麟を見つつ、竜に言った。
「あの先には関川をせきかわ歴史とみちの館があるのです。見に行ったのやもしれない」
「なになに、やむおえず?」
竜が面白そうになんか言った。
「竜ちゃん、やむおえずって言うのはですね〜〜やもしれないとは違うのであり〜〜」
麒麟はそんな2人を見つめていた。
麒麟は白い狐のような狼のような五郎から「鍵」をもらった。
五郎は麒麟に鍵を渡す前に、珠を、多分如意宝珠を口に咥えて駆けて行った。
「アレは、あらゆる願いを叶える如意宝珠……」
ふとそこへぶち猫が喉を鳴らして虎時の目の前にやって来た。
「良いニャンコ! 良いニャンコ!」
嬉しそうに目尻を下げる虎時。
その背後で、竜がシャーーシャーー言っている。
麒麟はジャケットの内ポケットに入っていたメモ帳とペンを取り出して、メモ帳を数ページめくり何か書いた。




