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舞台だよ⭐︎麒麟!!

 竜は、虎時のシャツの袖を引っ張りソワソワ。

それでも、ゆーむの方へ道路を横断して小走りで走って行く。



 その少し前になるが麒麟は1人、荒川の足元から感じるせせらぎの冷たさ、周囲を取り囲む森林の深く青臭い匂い。そして、近年自然との調和を期待した護岸から水のしぶきを浴びた岩の匂い。


 麒麟はまぶたを軽く閉じて、息を軽く吸う。

「……時間が差し迫るとのたまう君はいつの時代も変わらないようだ」

フロックコートを纏った麒麟がそう呟うと、空気がわずかにそして連動してそれは波紋となり、関川ふれあいど~むの中へ入って行く虎時の前でかき消え、だんごを買いに道路を横断する竜の背中を通り越して行く。

 

 白い霧が川の両サイドの護岸から湧き上がり麒麟を包む。

  ーー白い男が来る。

それは、どこから?

もう少し待っていたら、やって来るさ。

ふふふと笑うまだ幼さが残るような女性の声が霧の中から聞こえてくる。


「この土地も、自然(かみ)も覚えているようだ……」

麒麟は川床の傍に白い養生テープで貼り付けて置いた十束の剣を取り出し、手刀を切るとエイッと左手のひら親指の根本を少し切った。

十束の剣がその血を吸うかの如く柄の方へ滴り落ちるではないか。


「そこの者よ、しばし待たれよ!!」

ゆーむの方から全身黒ずくめの装束を身に纏った男が霧に包まれて行く麒麟を見つけ護岸を駆け上がり叫んだ。


ーー全てを飲み込もうとするのは、大いなる自然(かみ)、それを祈りと仕事で押さえ込む。


「待たれよと言われて、どこの誰が待つとでも?」

 麒麟は纏わりつく精霊なのか麒麟の美しさに魅了されたのか半透明な乙女に寄り添われニヤリと呼びかける男を睨みつけた。





 





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