分かってる♡よッwぐはっ!
「ようは……、この美麗なお方様は……」
やっちまえ!
と言わんばかりな、お盛んな雄々しさの男に見つめられるのは竜でも辛い。
もう一歩手前で犯されてしまいそうになった所で夢から覚めた。
いつのまにか、敷かれた布団の中で眠っていた竜は襖の隙間から漏れる光に引き寄せられ、男の気で満ちた部屋を覗き込んでしまった。
食卓を背を丸め囲む男たち。
静々と、料理が食べられている。
何か話し合っている!
こんな感じの、覗き見は竜は大好きだ。
「おいコラ、竜ちゃん。覗きは良くないのであります!」
隣で寝ていた虎時が、優しく背中を叩き、布団を開けて招き入れた。
「虎時さん……、誰、あの人達」
「ん、ああーー俺のご先祖さま達!」
パチン!
竜は虎時のほっぺたを軽く叩いて牽制した。
「もう、虎時さんてば。ーーさっきから、嘘ばっかりついてw」
「あぎょうさんさぎょうご!」
「はいはいはいw」
「竜ちゃん……」
急に真剣な顔をして、虎時は竜を抱きしめた。
「竜ちゃん、今日はどうする?」
「どうするって?」
「……、ううん、いいよ、別に」
虎時はとてもすまなそうに、竜から背を向け寝ようとした。
「いや、良いよ、良いよ、別に」
「別にって?」
自分が別にって言ったくせに。
「竜ちゃん、今日はやめよう。ーー今日の俺では竜ちゃんの前で信用たる男でいられた気がしないもの」
「信用たる人物ではないとーー確かに」
竜はスピには人よりも寛容だと思うけれど、かと言って、パソコン関係の仮想サーバの話を持ち出されると、本当に理解出来ない。
なんやかんや言ってた朱雀達も、あの後竜がいつのまにか寝てしまう前に、あれは嘘や嘘やと言っていた。集団で嘘ついていたんだろうか。
「俺……竜ちゃん。俺多分、自分でやろうと決心した事は出来ると思うんだ」
「虎時さんはやろうとする事、全部できるの?」
「俺だって、全部とは言わない。……出来るようにするだけ。決心した事について、出来るように精一杯努力するだけなんだ」
「ふむふむ……。私は……どうだろうなぁ」
虎時は竜を強く抱きしめた。
「竜ちゃん、俺は待つよ」
「待つ、かぁ……」
虎時の腕の合間から、襖の隙間の明かりを探した。
もう、真っ暗だった。