それ以上に♡君を守る理由は♡あるッ!
「……だもんで、俺は竜を守るために戦うぜって言いたいの?」
先ほどから、ひとり汗を流す虎時の頭を撫でる竜。
「……俺はいつも戦っているよ」
上目遣いで竜を見つめる、しおらしい虎時。
「虎時さん……」
やっぱり、大好きな虎時さん。かっこいいなぁ。
「ーー俺のために!!」
「ふぇっ!! 私の為ではなくて?」
「うむ」
全てを含んだ、うむであるのは、妻である竜も承知の上だ。
だが、いつも呆れてしまう。
「でも、私、分かってる。虎時さんはいつも、そうーーまあまあ、さっき教えてくれた長野の小海町のHPの「竜の生」のお話だけど、そこの竜神様、市杵島姫、宗像三女神のひとり、素戔嗚と天照の娘さんじゃ……。竜神(竜神を祀る一族の神様)だろうけど。合ってるのは、長野と竜って事くらいじゃない?」
「竜ちゃん、もう一度よく検索してご覧なさい。その女神様もお祀りされているが、畠山重忠伝説が残っていた神社は松原諏訪神社。そして……」
麒麟がそこまでいうと、再び押し黙っていた虎時もおもむろに、視線を竜と合わせづらそうに、
「松原諏訪神社は※武田信玄の崇敬が厚く、何度も信玄直筆の祈願文が届き祈願し出陣したらしいです。……だから、その、竜ちゃんの後ろの人とも縁生が……」
「後ろって、何よ?」
つい、自分の背後を確認してしまう。
※参考資料
松原諏訪神社HPより