時空♡夢なのか
目の前には、上杉謙信らしい武将が、左には織田信長っぽい武将が、右側には武田信玄っぽい……。
その3名の背後には、その部下達が取り囲む。
ーーいやいや、青葉城と言えば、伊達政宗だろう。
なんなんだ、このお三方。
森の中で、ひとり会うのなら、UMAとか宇宙人とかではなかろうか。
ーーここで、伊達政宗が出たら……。
不意に真上を見たら、そこにいた。
くつくつと煮えたカレーがいい匂いを発している。
ーー虎時と竜ちゃんが城ヶ島の梶の三郎神社で武田信玄を見たとか言っていたけど。
4人の方々は、なぜ僕の目に現れたんですか。
モンゴリアンデスワームだったら、火のついた薪を投げて逃げるけれど。
風が吹いた瞬間、上杉謙信がひとり前へ進み出て来た。
肌質まで細部まで見える。
まるで、お前には俺がどう見えているかと問われているようだ。
永遠に感じた。
別に怖くない。
恐れもない。
上杉謙信は、吊るされた鍋の中からカレーを一口食べると満足した様に消えた。
他の存在も同時に消えた。
「カレー、美味しいかったのか。もっと食べていけば良かったのに」
「今ってなんだよ!」
つい、ひとりムキになってしまった。
ーー千佳子が言っていた事を思い出した。
千佳子が「今を」と。
「今と言われると、過去を見てしまうのか」
だが、こんな風に戦国武将が4人このように仲良く勢揃いする過去だなんて現実にあったのだろうか。
「いや、カレー食っていたし。違うか」
薮から足で枝を折る音が聞こえて来た。
「玄武ーーさん、探したよ。やっと見つけた!」
「千佳子さん、どうしてここに?」
呆気に取られて、持っていたスプーンを落としてしまうところだった。
「理解して!」
千佳子は、LIN○の画面を見せてきた。
「はぁ……?」
「玄武さんたら、話の途中で電話切ってしまうんだから。私とLIN○交換して。これなら、電話に張り付かなくてもいいから!」
ひとつ深呼吸して分かった。
「千佳子さん、ずっと俺の電話を待っていたの?」
「もちろん」
「ええっ?」
玄武を取り囲む、暗い闇だけの世界に急に光が戻った。
「カレー食べますか?」
「いいの、ありがとう。ちょうどお腹空いていたの」
二人、横並びに座りあつあつのカレーを食べた。
そのあと、ツリーハウスへご招待。
4人がゆったり寝れるスペースと、4人分の寝袋があったので2人はなんとなく距離を取り、寝袋の中に入って寝た。




