ログローテーション♡ジョブローテーション
玄武は、千佳子の車を追って走るつもりだったが、榴ヶ岡駅から榴岡公園のわきを通り、桜の標本木の所で駐車場に入った。
あまりに早い到着で玄武は戸惑ったが千佳子は車から降りると、近くに停めた玄武の車の前へ駆け寄った。
「ちょっと、歩こうか」
千佳子はそう言う。
「はい……」
玄武はどうも、奥手にまわりがちだ。いいや、これが良い男の鑑なのかもしれない。
気乗りはしないが、公園であれば人目を気にせず話せそうだ。
ーーどう話し出せば良いのだろうか。
しっかりと車の鍵を閉めて。そう、心の鍵も閉める。
もう、玄武には竜しか見えていないのだ。
幾重にも鍵を閉めていそうで、そうで無いのかもと思う時もあるが。
そうこうしているうちに、千佳子は玄武の手を取って芝生の広場までやって来た。
うーんと、背伸びをする姿も竜にそっくりである。
「それじゃあ、居なくなってしまった「蛇」ちゃんを探そうかーー」
「ここで、ですか?」
「当たり前じゃない。玄武の蛇ちゃんでしょーー」
千佳子は優しいのか優しくないのか。
だが、玄武が助けを求めている、心の声は聞こえているはずだ。
「あの、自分、大学時代の親友千葉から、大学時代に何かあったら千佳子さんに電話しろって言われて。僕は今、千佳子さんだけしか頼れなくて」
「うんーーそれは、わかっているわ。だから、こうやって『今を』探しているのよ。ーーおーーい、蛇ちゃん!」
千佳子さんは、ますます竜にそっくりだ。
額に手を当て、公園中を見渡している。
ふと、芝生にシロツメクサのクローバーのかたまりがあるのが目に入って来た。
しかし、まだ花が咲くには遠く、寒い。
「春だったら、白いお花で王冠作ってあげられるのになーー」
「王冠ですか……」
「うん、それーー」




