表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の獣医師になりたい!  作者: 雪芋
学園編
3/157

ミリーゼのこと・自分のこと

 ミリーゼは本名をミリーゼレルン・エレールラント・アストラルという。アストラル侯爵家の次女で、エレールラントというのは母親側の家の名である。エレールラント侯爵家は光魔法で有名で、光のエレールラントと言われている。

 お姉様は2歳ほど上で現在学園の2年生。4学期からは学園の生徒会役員をする予定だ。

 次女なせいか、天真爛漫に育ったようだ。長女が王族の妃候補として厳しく育てられたのを見ていたせいもあり、勉強はあまり好きではない。ただ、頭は決して悪くない。

 教えられた事はちゃんと吸収していて、普段の行動に生かす事も出来ている。

 ちなみに自分の頭も悪くはないようだ。というか、この体凄い!

 自分も中学生時代に教科書をページごとに丸暗記できた頃があったが、今の頭だと内容を覚えるというより、ぱっと見た文字列や絵をそのまま頭に入れることが出来る。だから勉強が面白くてしょうがない。

 ダンスは見た目は優雅だが、覚える事も多いし、精神力も体力も必要だ。まずは基本となる型を無意識に出来るくらいに体に覚え込ませる。優雅さや応用などは基礎があればこそだ。嫌になるくらい繰り返し、授業の終わりにはくたくたになってしまう。ミリーゼは体を動かすのは好きなので、ダンスの上達が早いと褒められていた。そんなミリーゼに付き合わされて、自分は良く男性パートを踊らされていた。


 マナーについても家庭教師からみっちりと仕込まれた。集団生活を送るにあたり、周囲が不愉快にならないように振る舞うのがマナーである。朝の挨拶に始まり、食事の作法まで、というか、生活全般にわたってマナーは存在する。これまた考えなくても自然と出来るようになるまでである。特に食事のマナーについては時代と料理によって変わってゆく所もあり、覚えるのが面倒くさい。たぶん、貴族に化けている庶民を見分けるなら、食事を与えてみると良い。一発で分かる。


 私の場合、意識がこっちに来てからというもの「男の子のような言葉使いや態度は止めなさい!」と言われて閉口している。いや、中身半分くらい男なんだよね・・。

 取りあえず学園生活をする上では淑女らしくしないと変に目立つことになりかねない。淑女らしくって、自分にそんな事出来るのだろうか?


 元の世界では、生物というのは染色体の形態上、雌が基本である、と言われている。去勢してしまうと雄は雌化するのである。逆に雌を不妊にすると雄化するか、と言われるとそのような事は無い。

 ということは、そのうち自分も女性化してしまう可能性は高いような気がする。う~ん、男の子が良かったな~・・・。 その方が色々楽だし、残念過ぎる。

 ちなみに、自分は女の子の体になった事の違和感があまりない。たぶん、この世界で生きてきた体の感覚が強く残っているせいだ。それにまだ自分の体がそれほど女の子らしくないのと、前世では妹、今世ではミリーゼと一緒にいたからだろう。

  

 そして、これは話して良いものかどうかは分からないが、ミリーゼは昔から甘いものが大好きである。ちなみに自分は甘さの塊のようなケーキとかは好きではないので、少し食べてはミリーゼに渡していた。そんなに食べて大丈夫か?


 なのに、なのにである。体型はほぼ同じで、これは一緒にお風呂に入った時に確認した。なぜにポヨンポヨンにならないのだ?

 で、胸の膨らみは明らかに私より大きくなる兆しがあった。たぶん、甘いものは全て胸の栄養になっているようだ。元の世界のヨーロッパの女性の胸が大きいのは、あの甘くて大きいケーキのせいじゃないのかな?


 まあ、胸の大きさについては特に羨ましいとは思わないのだが、体型が同じとは・・・。こっちは毎朝ジョギングして鍛えているのに。もしかすると皮膚の下の筋肉は赤とピンクの違いがあるのかもしれないが、そんなの分かりっこないし。納得いかない!


 後回しになったが、こちらの世界での自分の名前はロルフィーナ・コロンバスという。コロンバス商会の長女である。2歳下に弟がいるので、将来は弟が商会を継ぐのだろう。

 いつもは「ロルフィ」と呼ばれている。平民だとミドルネームは付けない。ただし、母方が貴族なので正式にはロルフィーナ・エレールラント・コロンバスである。

 コロンバス商会ではアストラル領の領都で、主に輸入商品を扱っている。穀物なども手広く扱っているので、かなり大きな商会だ。お父様はその関係で他国へ出向くことも多い。また、王都にも店があり、そちらへも定期的に商品を輸送している関係上、王都への出張も多い。私自身も王都へは何度か連れていってもらっているが、大きくて綺麗な街だった。

 家には「ジョン」という犬がいて、馬もいる。家は庶民の家というよりお屋敷である。使用人も沢山いるし、自分には専用のメイドもついている。元々、領主であるアストラル侯爵家の分家が商売を始めたのが祖先になる。お父様は現アストラル侯爵と同じ年齢で親友だ。アストラル侯爵は学生時代にお母様のお姉様と知り合ったそうだ。交際を続ける彼に付き合った結果、彼が結婚した4年後に、2歳下の妹と結婚した。それがお母様だ。

 身分的にはお父様はお母様にかなわないが、2人の仲は良好なので、私はあまりその事を意識したことは無い。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ