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目が覚めたら世界が終わっていたので旅に出ます  作者: チルノのパーフェクト理科教室
8/16

 

「ダンジョン攻略をなさる方は大概、冒険者という職業となります。あまり儲かったりするわけではないのですが……まあ攻略すれば億万長者ですからな」


 思わず宝くじを買い続けて、絶対に当たらない人を思い出した。

 そんな不憫なことにならないよう祈るとして。


「まあ、大体このくらいですかな」

「ありがとうございました」


 じゃあ次のことを聞こうか。


「魔法ってどうやって使うんですか?」

「魔法使えないのにダンジョン攻りゃ……いだっ!」

「お前はもう黙っておけ! ダンジョン攻略は戦闘が全てというわけではないわ!」


 グリはまた頭を引っ叩かれる。

 反省しないやつだなぁ……。


「魔法は魔力を操りながら呪文を唱えるんですよ。例えば……〈プチファイア〉」


 村長がそう言うと、村長の指先に炎が現れた。


「おお! すごい!」


 手品でも何でもない、ガチの魔法だ。


「ふふふ……それでは私が、極大魔法も見せてあげましょう!」

「え!? この建物は大丈夫なんですか?」

「大丈夫ですよ! では〈ヘルファイア〉」


 村長がそう言うと、村長の手の中にハンドボールくらいの大きさの炎が現れる。


 おお、それで!? からの!?


「どうですか! コレが極大魔法です!」


 そう言って村長はハンドボールをデデーンと見せつけてくる。


 え、ちっちゃくね? それが極大魔法?


 驚きで俺が声も出せないでいると、グリが口を開いた。


「流石アック爺! こんなデカい炎は見たことねぇぜ! 見ろ、ソウタも驚いてやがる! ソウタにこんな大きな炎は出せないだろ!」


 そう言ってパチパチと手を叩く。


 いや確かに驚きで声が出ないけどさ!

 だってコレは流石に小さすぎるだろ。


 いつの間にか俺のことを名前で呼び出したグリは、やっぱり頭をぶたれた。


「ソウタ様を馬鹿にするでないわ! お前はさっさと部屋を出て行け!」


 そうしてついに追い出されてしまった。


「魔法を使う練習はしなくても、魔法は自然に使えるようになりますよ」

「そうですか………」


 まあもう使わないけどな。

 だって〈ヘルファイア〉でこれとか、なんか色んな意味で燃えない。


「じゃあこの村で少し過ごしているので、また何かあれば言ってください」

「それではごゆるりとお過ごし下さい」


 そうして俺は、村長の家を出て行った。


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