16
「ダンジョン研究者、パネェ……!」
「このダンジョンをこんなにあっさりと……!」
「すげえな! ソータ!」
「俺の見る目は間違いなかったぜ、ソウタ」
5時間後、たっぷり遊んだ彼らは、俺のことを口々に称賛していた。
でもダンジョン攻略って言ってもなぁ………。
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「でもよ、攻略って言っても入り方がわかんねぇんだろ?」
グリがそう言う。
そりゃ遊園地に入ろうと思ったら、まず必要になるものがあるだろう。
ただダンジョン研究者という体をとっているから、それっぽいことはしておかなければいけない。
「このタイプのダンジョンは……」
とかなんとか言いながら適当に門をペタペタ触る。
そして自然に券売所の前に行くと、
「あぁ、ここですね」
そう言って、券売所に入る。
すると、人はいないのに声が聞こえてきた。
「何名様ですか?」
「5名です」
そう言うとチケットが5枚出てくる。
それを俺はみんなに配る。
「これでここを通れるはずです」
そう言いながら通ると、入り口の向こう側にはやはり夢の世界が広がっていた。
「ようこそ! デトックスニーランドへ!」
たくさんのマスコットキャラクターたちが迎えてくれる。
「おお! すげえ!」
あとから入ってきた奴らも驚いていた。
「な、なあソウタ? こいつらも魔物じゃないんだよな?」
「そうですよオスカルさん」
デトックスニーランドのマスコットキャラクターはみんな特徴的だからな。
驚くのもしょうがない。
「でもよ、入ったはいいけど、攻略って何をするんだ?」
「グリ、遊園地に来たらやるべきことは一つだ」
「そ、それは………?」
グリに緊張が走る。
思わず周りの冒険者たちも緊張し出した。
「目一杯、遊ぶことだ!」
「「「「へ?」」」」
そりゃね。
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それから俺らは遊びまくった。
オスカルはジェットコースターが気に入ったようだったが、他の3人はゲロっていた。
グリはメリーゴーランドがよかったようだ。
フッ、子供だな………。
お化け屋敷で剣を抜くのはやめてほしい。
あと『プー太郎のバニーハント』でバニーちゃんたちに興奮するのも。
まあそんなこんなで『BOY・STORY』や、『STAR ・WOMANS』とかの乗り物も楽しんだ。
そして夜にはパレードを楽しんだ。
そしてパレードが終わったとき、俺の頭の上に『ダンジョン攻略』の文字が浮かび上がったのだった。