始まり
目が覚めた。
俺が執事になるなんてありえない。
「あの女の子に出会ったのは夢だったんだ。」
「夢じゃないわよアルフォード。」
「なんでいる…いらっしゃるんですか?」
何でいるんだこの子は。
てか、同じベットの中に入っている時点でお嬢様らしくない行動なんだよな。
女の子としてもっと恥じらいってもんはないのか。
「私の専属執事を迎えに来たのよ。つまりあなたをね。」
「だろうね!でもそういう意味ではなくて、なんで俺の布団に入っているんです?」
お嬢様は首を傾げた。
何だその分かりませんっていう顔は!
アイリーンはベッドから出てから咳払いを1度した。
「アルフォード=インディアス。あなたは現時点から私の専属執事になります。
いいですね?」
真面目な顔をしてそう言い切ったのちに、顔が崩れた。
「堅苦しいのは嫌いだわ、アルフォードの前では崩すわ。いいわね?」
「ええ。お嬢様がお気になさらないのであれば私には異論などございません。」
そもそもどんな方でも主人に仕えるのが仕事だ。
だが現時点ではそんなことしか分かっていない。
気楽にやっていける仕事ではないだろう。
「アルフォード何してるの?準備しなさい。出発するわよ。」
「分かり…いえかしこまりました。」
こうして俺の執事としての生活が始まった。
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