中年の後悔
子供の頃はなんにでもなれる気がしてた。
学校の先生なんかバカでもできる仕事だってバカにしてた。
塾の先生が「俺はバカだから法政にしか受からなかった」というのをみんなで笑っていた。
こんなやつらみたいになってやるもんかって、恋愛になんか興味ないふりをして、俺は天才だって信じてた。
天才たちがどれだけの努力を積み重ねてきたのか。
それを見ることなく、自分は何か才能があって、いつか才能が開花して何かになれるんだって思ってた。
でも気づいた時、誰にも相手にされない中年がそこに立っていた。
苦しみを知らず、楽な道を生きてきた愚か者が身動きが取れなくなって立っていた。
人を見下し続けた愚者がどうしようもなく肥大したプライドだけで生きていた。
見下してやるという思いだけで生きなくてはいけなくなっていた。
もうどうでも良いと思い始めている。