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1 草案

 容姿端麗、文武両道、誰からも一目置かれる存在。

 完璧な人間なんて存在しないけれど、それに近い人間を私は知っている。


 天使の輪が輝く髪、抜けるように白い肌、愛らしい顔立ち

 我が学園創立時から親交が深い御影一族の長子、御影みかげ さちか様だ




 近隣一番のマンモス校である竜胆華学園。

 スポーツ科から特別進学科、庶民からとんでもないお金持ちまで生徒の幅広さに定評がある。

 そんな学園で入学式の式辞をしたかと思えば、体育祭で注目を浴び、校外清掃中に子猫を見付けて保護したりと学園新聞記事の常連となっていたご令嬢。


 そんな、貴女を

 みんなが注目してやまない貴女を---白日の元にさらしたい!!





「ずぅえぇぇぇぇっったい、裏ありますよ!」

 後輩の輝かん笑みに部長は唖然とした。

「郡部ちゃんさぁ・・・」

 座り直した椅子がきしむ。ここが部室で良かったと、何度でも思う。


 普通科 新聞部1年、郡部ぐんべ 萌々もも

 意欲的な新人が入ってくれて良かった、なんて思ったのは最初だけ

 彼女は刺激的な記事を書きたかったようで、スクープ探しに奔走するようになってしまった


「郡部ちゃん、野球部の交流試合の記事はまとめた?」

「終わってます」

「陸上部のインタビューは?」

「まとめたので、和田先輩が明日までに見てくれるそうです」

「吹奏楽の」

「ソロコンテストは写真も用意出来ています」

 うちの1年は無駄に有能だ。

 苦笑すると満面の笑みで返される。

「だから部長、私にやらせて下さい!!」


 マンモス校の学生新聞だ。部長や顧問が事前にチェックし、所定の位置に張り出されるそれは、間違っても根も葉もないゴシップや不名誉なスキャンダルなんて載せない。

 そもそも50を越える運動部の活躍だけで記事が埋まり、学内行事や文化部の記事と調整するのが毎月の悩みだ。

 根拠すらない誹謗中傷は裏サイトだの掲示板だので個人でやって欲しい。ネタが転がっていない訳ではないが、表に出す必要がない。


「みんな話題の御影さんのこと知りたがっているんです!」

 否定しないが一番知りたがっているのは君だろう。

「毎日高そうな車で来て、執事みたいな人がお見送りして」

 うん、申請すれば車通学の許可おりるよ。

「エリートばかりの特進科なのに普通科とすれ違っても気さくに挨拶してくれて」

 うん、人柄の良さも有名だ。

「香水つけていないのに良い匂いするとか」

 うん、シャンプーや柔軟剤って女子が気にするよね。

「はぁめっちゃかわいい」

 ・・・

「式辞の声もめっちゃきれいで顔も性格も良いって奇跡?毎日ながめられる特進うらやましい」

 さて、どう落ち着かせようかこの暴走娘。腐っても部員だ裁判沙汰は避けたい。

 自分の世界から帰って来ない後輩を横目に新聞部の主は「中間管理職は辛いよぉ・・・」とつぶやいた。

名前にルビを振るのは、パソコン手に入れたらやります。

読みにくいですが、なんとなくで流して下さい。

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