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第二章☆結子のルーツ
第二章☆結子のルーツ
おぎゃあおぎゃあ!
赤子の泣き声で結子は目覚めた。
「この子は…」
「梨華さんに預けたお子さんですよ」
「戻ってきたの!!!」
結子は我が子を抱きしめた。もう二度と会えないと思っていたのに!
ずしりとのしかかっていた得体のしれない感情がなくなって、喜びと愛しい気持ちでいっぱいになった。
「僕はいいなぁ。僕も将来結子さんと一緒になりたい」
直也101が呟いた。
結子は以前直也が「この子が小鳥遊結子」と言ったのを思い出し、どうなってるんだろう?と訝しんだ。
私はどこで生まれて誰の子どもだったのかしら?
「結子さん。赤ちゃんはもう手放しちゃだめですよ」
「もちろん!」
「結子さんのループを断ち切りましたから、その子は結子さんではありません。結子さんは別のルーツを持つように現在手配されています」
「一体どうやって?」
「タイムパトロールの奥の手があるんですよ。時空を切り離したり、新しく創り出したり」
直也101は、「僕にも僕の結子さんがもうすぐ現れるんです」と嬉しげだった。
「この子に名前をつけなくちゃ」
どんな名前にしよう?
結子は幸せそうに笑った。