第一章☆分岐点
第一章☆分岐点
「結子!ゆうこおお!!!」
直也の絶叫が辺りにこだました。
別次元…本筋の直也と結子をAとすると、ここはÁ…の小鳥遊結子は衰弱して亡くなってしまった。
ここの時空の直也は放心状態の末、思考がねじ曲がってしまった。
「あの時の僕が結子の手を離さなかったからこんなことになったんだ!!」
直也はAI搭載のアンドロイドをあのもともとの時空に刺客として送り込み始めた。
別の時空Bの直也がそれに気づいて阻止しようとしてこじれてドンパチが始まった。直也対直也の戦い。時空が少しでも異なると、思考が異なる直也がいる。
そんなこととは考えが及ばなかった直也たちは、どうしたものか?とあれこれ案を出し合ったが答えは出なかった。
「ええい、じれったい!」
梨華がしびれを切らした。
「超時空カッターで切り離しましょう!」
「切り離す?どっからどこまでを?」
JJが問うた。
「結子が産褥で亡くなる未来を」
直也たちの意見は一致していた。
「タイムパトロールに超時空カッターの使用を求めます!」
「隊員の意見をまとめるまで時間をください」
「ああん、面倒くさい!!」
梨華が地団駄を踏んだ。
「梨華さん。一つずつ解決していくんだよ」
直也たちがそう口々に言った。