No,3 『試験と同居人』
かなりスピーディーw
王都へと到着すると、エナの乗っている馬車だけが王城の方へと向かって行ってしまった
『今のお前では、エナリーゼには会えない』
料理長の言っていた言葉
しばらく会えなくなるから挨拶くらいしたかったけど、多分すぐ会える
そんな感じがする
僕は離れて行くエナの馬車を見つめながら、次いつエナの手料理を食べれるのかだけを考え続けていた
僕の乗る馬車がたどり着いたのは、この王都を防衛する騎士たちの集まる場所だった
到着するなり馬車から引きづり降ろされ、積まれていた荷物を降ろさせられた
まぁ、これくらいの重さなら、一気に5個くらい余裕なんだけどさ(なんでみんな一個づつ運んでるんだろう?)
それにしても、どこを見てもガチムチの男だらけだ
タンクトップにフルプレートの鎧、革製の軽装備を身につけた男たちが広場で木刀を振り回している
むさ苦しいと言うか息苦しいと言うか、女性のいるような場所ではないなここは
王都は美人な人が多くいると聞いていて少し期待とかしてたんだけど(特に女騎士とか)、この場所を見る限り夢見事だったようだ
荷物を降ろし終わると、少しの休憩を貰えることとなった
僕は広間の端っこで座りながら男たちを見る
なんか、みんな(王都防衛騎士団の精鋭たち)弱そうだよな〜
てか、弱いよねこれ
「おい新人、立て」
「ぐぇっ」
首根っこを掴まれて強引に立たされる
おいおいかなり荒っぽいな
首の骨を折ろうかと思ったけど、我慢我慢
代わりに文句を言おうと口を開くが、言葉が出る前にどでかい声が広場全体に響いた
「せいれえぇーっつ!!」
「「「おっす!」」」
1人の男(僕を摘んだ男)の一声で、広場にいた男全員が僕の目の前に寸分の狂いもなく、あっという間に整列した
こういうところは一流らしい
「今日はこれから私たちの仲間となる新人がやってきた!新人!挨拶っ!」
「え!?え、え〜……フロウです。これからよろしくお願いします」
「声が小さあぁぁい!全員!連帯責任として、その場で腕立て100回だあぁぁ!」
「「「おぉっす!」」」
なんじゃこりゃ
訳が分からない。なんでみんな腕立てしてるの? 僕のせい?
この空気、少しというかかなり苦手だ
さっさと終わらせよう
「新人!もう一度だあぁ!」
「すうぅ〜、今日からここでお世話になりまあぁっす!フロウ、でえぇっす!お願いしまあぁぁっす!」
「よおぉぉっし!ではこれから、試験を始めるうぅ!全員!円を作れえぇ!」
「「「うおぉっす!」」」
試験ってなんだろう?
ていうか、さっき大声出したせいでもう喉がやられた
めっちゃじんじんする
涙目で喉をさすっていると、男たちが円を作り終わる
そして、その中心に先ほど見たフルプレートの鎧を着た男がいる
僕は周りの空気を察して、中心へと行く
「新人フロウ!武器を選べえぇ!」
剣、槍、斧、盾が出される。全て木製だ
もちろん僕は剣を手に取る
いつも使っている木刀より少し長め。手首を回して剣を馴染ませる
相手は盾と剣を選んだらしい
重心を深くし、身を盾に隠すようにして構えている
使い慣れている。一目でそう分かった
「両者構え!……始め!」
まずは様子見の一撃
あえて大振りにすることで、相手がどのくらいの目を持っているかを確かめる
盾で受け流してすかさず反撃か、避けて盾でタックルかな?
相手は盾で防ぐことを選んだけど、構わず僕は剣を振り抜いた
「ッハ!」
「あうっ!」
えっ!?
「「「……」」」
広場が静寂に包まれる
それもそうだろう
僕の放った一撃は男の構えていた盾を両断し、そのまま鎧の脳天を凹ませていたのだ
鎧の男は両膝をついたまま静止し、ゆっくりと後ろへ倒れる
「そ、そこまで!」
「ありがとうございました?」
「俺はここの騎士団副団長、デッカだ!歓迎するぞ新人フロウ!お前とそいつはこれから一緒の部屋で生活することになる!せいぜい仲を深め会うことだ!」
いや、そんな苦笑いをしながら言われても
僕この人とこれから生活しなきゃいけないの?脳天かち割った人と?
どうしよう、仲良くなれるのかなぁ?
取り敢えず、ゆっくりできる場所でこの人の手当てするか
その後、僕はデッカさんに生活する部屋へと案内されたのだけど……
「これはまた……」
どうしよう、これ