第35話 六章 接触してきた常盤少年
学校が終わった午後四時十分、修一と暁也は早い時間だというのに珍しく町中を歩いていた。気晴らしにカラオケへ行くためである。
いつもより人が少ない歩道を鼻歌交じりに進む修一が「そういえばさ」と暁也を振り返ったのは、大通りで一軒しかない大型ショッピングセンターの大看板が見えてきた頃であった。
「雪弥って、結構食うんだなぁ」
その光景を思い出した暁也が、気まずそうに視線をそらせた。
大量に買い込んだ食糧は、「三倍胃袋」と呼ばれている修一の胃にも収まらず、何気ない会話をしている間に雪弥がどんどん口に入れていったのだ。
「……マイペースにがんがん食ってたな。手も口も止まらずって具合に」
思い出すだけで吐きそうである。暁也は、乾いた笑みを浮かべた。
修一は「手も口も止まらずって何?」と疑問の声を上げたが、暁也が答えないと分かると、すぐに別の話題を振った。
「でも、本当、今日はすんなり抜け出せてよかったよなぁ」
二人がこうして、明る過ぎる町中を悠々と歩けたのは、実に一週間ぶりであった。今日は矢部からの呼び出しもなく、逃げ出そうと身構えていた二人は、矢部本人かから「今日は帰っていいぞ」と告げられたのである。
「雪弥も誘えば良かったなぁ」
「気付いたらいなくなってたからな」
答えた暁也は、少し不満そうだった。修一は「来週誘えばいっか」と話を締めくくる。
そのとき、暁也が遠くを見やって目を細めた。
「どうした?」
「……なんか、見慣れたおっさんが通っていったような」
「知り合い?」
「親父関係の」
暁也の父は、高知県警察本部長だった。暁也の転校と共に茉莉海市に引っ越してからは、頻繁に集まっていたメンバーも数えるほどしか金島家を訪れていない。
場所が遠いことも原因の一つではあったが、もっぱら全員ベテランなので仕事が忙しいようだ。中には昇進した者もいるらしい。集まれるときに、県警本部の近くにある居酒屋で飲んでいることを、暁也は母伝えで聞いたことがあった。
それでも暁也の父は、外でほとんど食事を取らず、必ず家に帰って来てから母の手料理を食べている。それは、昔からずっと変わらない習慣だった。
「まぁ似たようなおっさんって結構多いだろ」
俺、先生だと思ってよく別の人に声掛けることあるし、と修一は鞄を持ったまま後頭部に手を回した。歩き出した彼に暁也は続いたが、次に足を止めたのは修一だった。
修一は、こちらから人混みの奥を見つめていた。そこに見知った顔がいたように目を細め、「う~ん」と呻る。暁也は先程の修一と同様「知り合いか?」と、足を止めて声を掛けた。
「うちの校長先生って、どんな顔だっけ?」
修一は思い出そうと頭を抱えた。その様子を横目に見る暁也の目は、冷ややかである。
「お前な、顔も忘れた癖に見掛けたとかいうんじゃないだろうな?」
「なんか、それっぽい人がいたんだよ」
修一は頬を膨らませた。「確かに顔は覚えてないけどさ」と三年間週一に行われている全校集会で必ず舞台に立つ、校長であり学園理事長である尾崎を、自ら見ていないことを宣言して続ける。
「あの人、季節関係なく黒いロングコート着てんだよ。んで、いつでも高価そうな黒い杖持ってるじゃん? 生徒の顔と名前全部覚えてるみたいで、一年の頃『修一君こんばんは』って声掛けられてびっくりした」
「へぇ、そのとき見たわけだ」
尋ねた暁也に、修一は「そう」と肯いた。
「服装か全く変わらないからさ。去年も今年の始めも見たけど、もうあのまんま」
「お金持ってるらしいからな。杖ついてロングコートって、イメージ通りだろ」
「あ~確かに、イギリス映画に出てきそうだもんなぁ。でもさ、久しぶりに早く帰れると、結構知り合いに会うもんだなぁ」
修一は、見掛けた人物が校長であることを前提に言った。暁也は指摘する気にもなれず「そうだな」と返して歩き出す。しかし、また修一が「あ」と声を上げて立ち止まった。
看板が見えているというのにカラオケ店との距離が縮まらない事に、暁也は小さな苛立ちを覚えて「今度はなんだ」と振り返った。次は教師か、保護者か、同級生か、と修一の横顔を怪訝そうに探る。
修一はぽかんと口を開けて、馬鹿に見える間抜け面を晒していた。これまでの反応と大きく違っていることに気付き、暁也は自然と彼の視線の先を辿った。
そこは、ショッピングセンターの大きな交差点だった。見慣れたブルーのブレザーが二つ、行き交う人の波から垣間見えている。
「暁也、あれ、雪弥じゃね?」
暁也が気付くと同時に修一が言った。交差点を横断しているのは雪弥だったのだ。その前を歩く男子生徒に「誰だろ」と修一が首を傾げる隣で、暁也が瞬時に嫌悪感を露わにした。
ブレザー越しにも分かる、貧弱な身体と癖のない長めの髪。目元を隠すように伸びた髪の間からは、日に当たっていない白い肌と濁った瞳が覗いている。
「常盤だ」
暁也は、雪弥を先導している男子生徒の名を口にするなり、足早に歩き出した。修一が「待てよ」と慌ててあとを追う。
「なんで常盤と雪弥が一緒にいんの」
修一が疑問をもらし、暁也は「さぁな」とぶっきらぼうに答えた。
暁也は人の間を少々乱暴に通り抜けながら、「やばい事してそうだから近づくなって言ったのに」と愚痴る。六分後にさしかかった交差点で、しばらく歩道の赤信号が続き、いつも以上に長く感じる信号待ちに、二人の少年はそれぞれ「のんき」と「仏頂面」を構えて立ち尽くした。
道路で普通乗用車や会社のネームを入れた車、農業のバンなどが通ったが、港からやってくる大型トラックは一台も通らなかった。
※※※
午後四時八分、常盤は期待と急く想いに落ちつかなかった。
高揚した気分を抑えきれないまま、ショッピングセンター前の大きな交差点にある広場で、何度も視線を動かせて待ち人の姿を探した。一番人の行き交いが多い交差点前に、ブルーのブレザーがないかと目を配る。
ショッピングセンターは相変わらず人の出入りが多く、常盤と同じように建物前で人待ちをする者や、立ち話をする者がちらほらと見られた。金曜日ということもあり、外食をする社会人や家族連れの姿も目立つ。
一際大きな声が聞こえて、常盤は煩わしそうにそちらへと顔を向けた。
寝癖がついた男の後頭部が、人の間から覗いていた。ポロシャツといったラフな格好をしたその男は、「働きもせず家でごろごろしてるおっさんみてぇ」と常盤に思わせた。
男は不健康そうな肌と、顎先にまばらに髭を生やしていた。だらしなく下がった肩から伸びる手は、けだるそうに頭をかいており、覗いた横顔からは気力もない垂れ目が覗いている。
そのとき、群衆から一際飛び出た強い声が上がった。常盤はその声が、男の奥に隠れている人間から発せられている事に気付いた。
「内田ぁ!」
それは煙草を口にくわえた四十代頃の男で、シニア世代の服を着ていた。グレーや肌色といった冴えない色は、男をさらに老けて見せている。
これから飲みにでも行きそうな男たちであると見て取り、常盤は「とっとと行けよな」と顎を引き上げた。ショッピングセンターから出た矢先で立ち止まった二人を、店内に出入りする他の客たちが迷惑そうな顔をして避けて進んでいる。
常盤は、男の強い声色が耳障で苛立った。まるで説教が身に染みてるみたいだ、と横目に睨みつける。しかし、彼はふと歪んだ笑みを浮かべた。
あいつなら、すぐに殺しちゃいそうだな。
残酷な殺害場面を思い出し、常盤の興味は、再び白鴎学園の男子生徒へと戻った。
常盤が少しだけ目に留めていた二人の男たちは、潜入している高知県警刑事部捜査一課の内田と澤部であった。張りこみ待機となっている現場に、購入した食糧を持って行くところだったのだ。ヘビースモーカーの澤部は、ショッピングセンターを出てすぐ煙草を吹かして内田を待っていたのである。
常盤が携帯電話で時刻を確認する横で、内田の個人的な呟きに切れた澤部が「内田ぁ!」と吠えて見事なドロップキックを放った。
かなり目立つうえ、やはり大声が特徴的で煩い。
再び目立つ二人の「おっさん」に再び目を向けた常盤は、「元気良すぎるだろ」と呆れた。交差点前で騒ぎだす男たちに馬鹿らしくなり、携帯電話をしまって辺りを見回す。
交差点の歩行者信号が何回目かの青になったとき、常盤の心臓が飛び上がった。一瞬で全身の血液が大きく波打ち、恋焦がれるように熱くなる。
こちらへと歩いて来る男子生徒は、忘れもしないあの少年だった。
昨日、彼の目の前で人間を殺した顔がそこにはあった。小柄な印象があるものの、しっかりとした体躯は高校三年生にしては大人びている。
傾いた陽の光で、少年の髪はグレーやブルーを帯びているように常盤は錯覚した。白い肌をした小奇麗な顔が、真っ直ぐ常盤だけを見つめている。まるで悪を感じない大人しそうな顔だったが、アンバランスに浮く黒い瞳に残虐性を思って、常盤は勝手に一人酔いしれた。
※※※
「こんにちは。君が常盤君かな」
雪弥にとって、それはいつものぎこちない笑みだった。しかし、常盤は相手の警戒心を打ち砕く裏表ない表情だと好印象に映り、彼は「はじめまして、一組の常盤聡史だよ」と興奮を抑えて話しかけると、すぐ「場所を変えようか」と早々に交差点へと促す。
歩道の信号がタイミング良く青に変わり、常盤が道に不慣れな雪弥を案内するように前を歩いた。向かい側へと渡る歩行者にまぎれて、常盤は待ち切れず「昨日のあれ、見たよ」と後ろの雪弥に囁いた。
「すごかった、俺、感動したよ」
感極まった声色を察知し、雪弥は「なるほど」とこれまた予想外の反応だと他人事のように考えた。どうやら、自分は尊敬の眼差しでも向けられているらしい。
そのまま何も答えず常盤の後ろをついて歩きながら、雪弥は近くで夜狐が動く気配を感じて、横断歩道の中腹でちらりと視線を向けた。人混みにまぎれるようにして、白鴎学園大学部の「里久」が歩いているのが見えた。
やあ、夜狐。
あなたの夜狐はこちらにおります。
二人が目をあわせたのはほんの一瞬だったが、それだけで十分だった。雪弥たちの中で無言の会話が交わされ、自然と目が離れる。
ナンバー4が本格的に指揮に入るはずだった午後四時、潜入している夜狐の部下たちはすでに動き出していた。常に影からナンバー4をサポートする夜狐が、高校生でいる必要がなくなった雪弥についているのは当然である。
夜狐はナンバー1の直属暗殺部隊の第四部隊隊長であり、ナンバー4直属の部下として常に行動を共に出来る権限を持っていた。マンションに戻るまでのちょっとした時間を潰すように、常盤の呼び出しに乗った雪弥の考えに反対もせず同行する。
交差点を渡り切ったとき、背の高い男たちが常盤と雪弥の脇を通り過ぎた。彼らは急いだ足取りで交差点へと踏み込んだが、同じように擦れ違ったはずの、夜狐が扮していた里久の姿は出て来なかった。彼はまた、姿と場所を変えたのである。
「ゲーセンの裏手に行こう。あそこなら話しが出来る」
「別に構わないよ」
君に任せる、というように雪弥は肩をすくめて見せた。
ゲームセンターは、細い路地を挟んでパチンコ店と隣接していた。数台の車が裏道を通って行くばかりで、そこに人の姿はない。「タイミングが良いな」と呟いた常盤は、運が回ってきたと満足な表情で立ち止まった。
パチンコ店の裏手に見える電柱に、雪弥は火曜日の夜を重ねていた。店内の裏口から若い従業員が現れ、里久が座り込んでいた場所にゴミ袋を置いて店内へ戻っていく。
「実はさ、俺も悪党なんだ」
常盤は、唐突にそう切り出した。潜めた声は強く、雪弥が視線を向けると「ごめん、声が大きかったね」と悪びれたように言う。
この少年は、溢れる言葉のどれを口にしようかと、そわそわとして落ち着きがない様子だった。暁也が毛嫌いしていた常盤の人間性は、悪に憧れる捻じ曲がった心持ちだったらしい。
雪弥は冷めた感情で「ふうん」とぼやいた。暁也や修一と同じ年頃でありながら、常盤は全く正反対の位置にいることを興味もなく思う。
「学校とか平凡な日常はつまらないだろう? でも、雪弥はラッキーだよ。実はここにも学校にも、悪の巣窟があるんだ」
悪行が好きに出来る場所、欲しくない?
そう常盤は笑んだ。顔は高揚に火照り、覗きこんでくる瞳は飢えたハイエナのようだ。
雪弥は、自分よりも低い位置にある常盤の瞳を見つめた。不意にクスリ、と上品に口元をほころばせると、彼は常盤が一番欲しがっている言葉を推測して口にしてみた。
「欲しいな。そんな場所があるというのなら、ね」
藤村組か富川側か、と雪弥は冷たい笑みでどちらだろうと考えていた。常盤は興奮したように「俺ヤクザの一味なんだ」と誇らしげに告げ、強くなった声量を意識的に落として辺りを見回す。
誰もいないことを確認すると、常盤は内緒話をするように雪弥に身を寄せた。
「学校が取引の場所になってる。ヘロインと人間が、商品として今夜やりとりされるんだ、面白そうだろう? ねぇ、見てみたいなって思わない? 覚せい剤も麻薬もいくらだって手に入るんだ。大金も動くよ。学生の俺にだって報酬分が回って来る」
仲間に引き入れたいってこと?
そう内容を疑うような、出来るだけ冷やかそうに見える大人びた表情で、雪弥は囁き返しながら嗤ってみせた。それに気付いた常盤が、少し慌てたように「本当さ」とまくしたてる。
「今夜十一時に取引があって、学校に悪党どもが押し寄せる。本当だよ、嘘じゃない。雪弥のために特等席も用意するし、麻薬も女も酒も暴力も、殺しだって出来るよ。俺たち、東京の大きな組織と組んでいるから、そっちに頼めばきっと何人でも殺せる」
常盤は必死だった。本当の悪党には、これだけの話では物足りないのかと焦燥に駆られて言い淀む。ポケットに用意した少量の合成麻薬でさえ彼の気を引けないのか、と苦渋の表情だった。
ずいぶん、悪にご執心なようだ。そう雪弥は嘲笑した。平気で殺しの出来る人間を、常盤はどうやら逃がしたくないと考えているらしい。
はじめから、取引で差し出す学生だけにブルードリームは配られていた。それでも、富川と藤村たちが配っていた覚せい剤の正体も知らないことを、雪弥は話題が切れた常盤を見て悟った。
この少年は必至そうにアピールしてくるが、その悪事の内容も違法薬物に関してくらいだ。少し手助けをしているだけで、組織の詳細な動きや思惑は何一つ知らないのだろう。
もしかしたら推測通り、茉莉海市の共犯者たちは相手組織側の本当の目的については、何一つ知らされていないのかもしれない。大抵都合良く動かされているだけの小組織とは、そのようなものが多いのも事実だ。
つまり学院と藤村組は、こちらが求めるような情報を持ってはいない。
それだけで、雪弥はもう十分だった。
「いいよ、じゃあ僕にそれを見せて」
ここにいるのも時間の無駄だと判断し、雪弥は悪くなさそうな素振りを装ってそう言った。続けて説得されたりアピールされても面倒なので、適当に「面白そうだし」と続けて、ひとまずその誘いに乗るように言葉を返す。
向かい合う少年の様子を窺ってみると、常盤の顔には、喜びがはち切れんばかりの笑みが浮かんでいた。まるで、欲しかったプレゼントをもらった子供のようだった。
「今夜十一時に学校で会おう」
歓喜に声を弾ませ、常盤が声高らかにそう告げた。急くようにポケットを探る手は、早まった鼓動に合わせて震えている様子も見られた。
「もちろん十一時前でも構わないよ! 三階放送室の鍵を開けて待ってるから」
常盤は褐色かかった錠剤の入った小袋を取り出したが、震える手から落としてしまった。彼は弾くようにそれを拾い上げ、しっかりと雪弥の手に握らせる。
「これ、ヘロインを加工した麻薬なんだ。とりあえず一回分だけ試してみてよ、気に入るようだったらもっと沢山プレゼントするから」
ヘロインは通常ニードル摂取である。常盤は加工された薬を眺める雪弥の思索も気付かないまま、「今夜十一時には取引が始まるから、それまでに来てね!」と強調して飛ぶように走りだした。
これから取引のために動き出すのだろうと思いながら、雪弥はポケットに合成麻薬を押し込んだ。既に特殊機関の方では現物を確保しているだろうが、これも提出用に送っておくかと考える。
その時――
「ナンバー4、立ち聞きしていた人間がおりました」
夜狐が、雪弥の背後で膝をついてそう言った。頭を下げたまま「常盤聡史が動くと同時に慌てて去って行きましたが」と、どのように対応するか判断を仰ぐように報告する。
雪弥は常盤の姿が見えなくなった路地へと目を向け、仕事時の口調で「特定は出来ているか」と冷ややかに問い掛けた。
「はい。潜入先であなた様と共にいた、修一と暁也、という少年たちです」
その名前が聞こえたとき、雪弥は思考を止めてパチリと瞬きした。
思わず普段の表情で振り返り、頭を上げる許可をもらっていない夜狐を見下ろす。彼は顔を地面に向けたたまま、耳だけを澄ませてこちらの反応を待っていた。
「…………それ、本当?」
「本当です」
抑揚なく夜狐が答えるのを聞いて、雪弥は「やれやれ」と息をついた。少年たちがそれぞれ、強い好奇心と正義感を持っているらしいことを思うと、面倒なことになったなぁと感じる。
雪弥はその場で素早く思案すると、二秒半で解決策を見い出した。
「とりあえず一旦部屋に戻ろうか」
そう指示する声色は柔らかかったが、そのタイミングで今夜の作戦決行へ思考を切り替えたその瞳には、ナンバー4として特殊機関の幹部席に君臨し、今回の現場を指揮するに相応しい冷酷な威圧感も宿っていた。
いつの間にか、風は殺気に緊迫した空気のなかで凍りついていた。雪弥は頭を下げたままの夜狐を眺め、厳粛な面持ちを浮かべて踵を返す。
「計画は当初の予定通りだ。二十三時までに藤村事務所、二十三時ちょうどに学園一帯を完全に封鎖。子供たちを巻き込まないよう、金島本部長たちには追って新しい指示を出す」
「御意」
答えた声と共に、そこには雪弥だけが残された。




