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おなじ夢をみている  作者: メイツル
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 トイレを済ませ、持参したペットボトルのドリンクをひとくち口飲んだ。携帯電話を開き、新着メールを確認したが、メールは誰からもなかった。携帯電話をポケットに収め、午後十時のチャイムが鳴ると、ベルトコンベアはうるさいモーター音をあげ、動きはじめる。

 テツはあれからミトさんとどうしているのだろう。今頃、勉強をしながらメールや電話でやりとりをしているのだろうか。

 テツとは高校のクラスでは一緒だったけれど、親しく話していたわけではなかった。予備校の入学当日、食堂で卒業以来の再会をした。それから、予備校までの電車が同じだったこともあり、次第に話をするようになった。

 テツは高校時代、野球部でずっと坊主頭だった。今は髪をすこし伸ばし、ジェルで整えたつんつんした頭をしている。

 セキさん達は高校の頃も同じグループだったのだろうか。ぼくやテツと同じようにクラスが同じだっただけかもしれない。

 ベルトコンベアはごうんごうんと一定のおそい速度で動き、ぼくは決められた数ヶ所のポイントにパイプを向け、ガス漏れの点検をつづける。

 来年になれば、予備校にいる人達のほとんどのみんなは、別々にどこかの大学に行くのだろう。あと半年程で、テツやセキさん達とも別れる事になる。そう思うとすこし寂しくなった。

 ぼくは将来何をしたいのだろう。

 どんな仕事をしたいのだろう。

 大学に行けば今よりもたくさんのことがわかったり決められるようになるのだろうか。偏差値の高い大学に行ければ、その答えに近い環境が整っているのだろうか。まだ行ったこともないのに、ぼくはどうして偏差値の高い大学を目指しているのだろう。偏差値が低いからと入る気のなかった大学で、おおきな学びがないと言いきれるものは何もない気もする。一方で、学ぶことが何もなく卒業してしまうのではないかと不安な気持ちもして、どこかの誰かがたくさん志望しているところに入った方が良いような気持ちもしている。

 二度目の受験ともなれば、ものすごく有名なところではなくとも、そこそこと言われるところには入りたい気持ちもある。入らなければというプレッシャーもある。

 そこでしか学べないことなど世の中にあるのだろうかと思うと、学ぼうとおもえばどこでも出来るような気もし、何かをするのに設備が必要な事ならば、やはり大学による差があるのかもしれないともおもえ、わからなくなった。ぼくはどうして大学に行きたいのだろう。どこでも良い、入らなくても良い、と思うには費やしてきた時間が無駄になるようで、思えない。

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