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1現実だけど現実には起こらない。夢だけど夢で終わらない。
夜空一面に様々な形、色をした花火が打ち上がる。
隣には浴衣を来て、少し微笑みながら花火を見る女性。
手が触れそうで触れない絶妙な位置に立ち、同じように花火を見る。
花火が上がる度に響く衝撃といつもよりも早く感じる自分の鼓動が余計に隣のひとを意識させる。
少しの間を置いて、連続で打ち上がる花火。周りの歓声がどこか全く別の場所の出来事のように、自分の意識が花火よりも隣に向いてるのがわかる。
最後にフィナーレを飾るに相応しい今日一番のシダレヤナギが夜空を飾った。