神父さんも大変
ウキウキしながら
テーブルの料理をお皿に取っていると
隣に神父さんが来た
「楽しめていますか?」
にっこりと笑う神父さんは
綺麗なお顔をしてらっしゃる
「神父さんこそ
どうですか?初めてのお祭りは?」
「ええ、とても楽しませていただいておりますよ?
でも、アリアさんにはなんと言っていいのか…」
そう言うと急にしょんぼりしてしまう神父さん
「んー
まぁもう慣れました!
今年も何もないことを祈るだけです!」
「神父さんは王都からいらっしゃったんですよね?
前の神父さんから聞いたんですけど
この村に派遣されるのは修行の一環だって
あの~ここって修行になるんですか?」
私はずっと疑問に思っていた事を聞いてみた。
「ふふ、そうですね
普通の方から見れば
左遷でもされた落ちこぼれに
見えるかもしれませんが
これでもエリートというやつなんですよ?
このお役目は、それこそ見習いのような者には
任せられないのです。
なにせ神にお仕えする方を選ぶという
大役ですから!
といっても選ぶのは神であり
この水晶なのですがね…アハハ;」
頭をかきつつ苦笑いの神父さんに
いろいろ聞いてみる
「それでも大変ですよね
都会で慣れてらっしゃる方が
なーんにも無いこの村に来るなんて…
他にもあるんですか?
この村のような事をやってる所は?」
モグモグと料理を確保しながらも
質問したら
「いいえ、聞いたことがありませんね
教会でも修行で出されるのは
ここだけです
そう言えばなぜなのでしょうね?
いつからなのかも分かりませんが…
来るのが当たり前だと思っていました。
そうですね…じゃあこうしましょう
私が王都にもどって調べてみます
もし何か分かれば、アリアさんに
お手紙でお知らせします」
にっこりと微笑みながら
神父さんが言ってくれたので
「はい!よろしくお願いします!
それじゃあ、神父さんも食べましょう?
早くしないと
あっという間に無くなっちゃうんですよ?」
「はい、いただきます」
二人で仲良く雑談しながら
お腹いっぱい食べて夜が更けていくのでした