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ラブいきま~す!

女の子視点にて文章を書いてみました。

読み返してみて自分でワロタ。こりゃアカン。

所詮はギャグものとしてお読みください。

 「行ってきま~す」


 私の名前は飯山 愛(いいやまあい)

 早乙女高校に通う高校二年生。

 私が抱っこしている子はラブ。

 とっても可愛いポメラニアン。

 毛色はオレンジで、いっつも私の足下をチョコチョコ走り回ってるの。

 私の事が大好きみたい。

 私がお腹をこちょこちょするととっても喜ぶの。


 平日は学校であまり構ってあげられないけど今日は

土曜日。だから思いっきり遊んであげるんだ。


 「ラブ。今日は公園でいっぱい遊ぼうか」

 ラブにリードを取り付けて地面に下ろすと少し寂しそうな顔を見せるが、直ぐに私の足下を元気に走り回ってる。


 ラブはとってもお利口さん。

 小型犬だけどあんまり吠えないの。

 家の中や住宅街だと特に。

 キャンキャン吠えて甘えてくるのは公園に来た時だけ。


 「みっきー。ごめん、待った」


 今日は友達の笹原 三月(ささはらみつき)、みっきーと、一緒に遊ぶ約束してたんだ。


 「遅~い。あんまり遅いからお弁当食べちゃう所だったぞ」


 みっきーはいつもそんな事を言うけれど、いつもいつも絶対に待っててくれるんだ。

 あれはみっきーの照れ隠し。

 幼稚園からずっと一緒だからもうバレバレね。


 みっきーは私の事を気に止めずラブを追いかけ回して遊んでる。

 普通逆のような気がするけれど、何故かラブはみっきーが苦手みたい。

 本気で嫌がってる様子ではなさそうだけれど。


 「ねぇ、愛。ラブはいつになったら僕になついてくれるのかな。追いかけっこは楽しいけどさ、ここまで逃げられるとちょっと寂しいよ」


 みっきーは肩を落とし寂しそうに体育座りをして口を尖らせ芝生の一点を見つめている。

 ラブもみっきーのいつもと違う様子に気づいたのか、クゥゥンと鳴きながらみっきーの足にカリカリとじゃれつく。

 元気出してと励ますように体をそっとみっきーの太股に預けていると、それはまさに一瞬だった。


 「捕まえた。よ~しラブ~、お腹コショコショしゅるよ~」

 

 ラブはまるで反応出来ずにみっきーに抱っこされる形となる。

 その場でひっくり返されてお腹をみっきーに晒す。

 必死で逃げようとするが、今まで我慢させられてきたみっきーがここで逃がしてくれる筈がなかった。


 ラブは愛の方へ目線を向けるが、愛も楽しそうにみっきーとラブのじゃれあいを見ておりあまつさえ、みっきーと一緒になってお腹コショコショをしてくるのだった。


 愛とみっきーのお腹コショコショからようやく抜け出せたラブは一匹での散歩を悠々自適に楽しんでいた。

 公園内を良く見るとピクニックを楽しんでいる家族がいる。

 とても楽しそうに愛溢れる光景だ。


 ラブはずっと一匹だった。

 親の愛情など知らずに育った。

 それで困った事もなかった。

 ずっと必要無いものと思って生きてきた。

 だがここに来て、愛と出会い、飯山家の人達と出会い、ちょっと苦手だが三月とも出会った。

 いい奴らだ。ここを、この場所を壊されたく無いと思った。

 初めて本気で守りたい場所ができた。


 かつての自分を思い出す。

 魔大陸のバルボア大森林。

 其処には一体の魔獣が棲みついていた。

 上半身は大鷲、下半身が獅子。

 グリフォンと呼ばれる魔獣である。

 このグリフォンは他のグリフォンと比べ、あきらかに体の大きさや魔力量が桁違いであった。

 そのせいか他種族だけでなく同種族からもつま弾きにされた。

 その為か力だけが全てだった。

 他者は仲間では無く配下として従わせれば良い。

 そうやって生きてきた。千年を越える時を。


 ずいぶん昔の事に思える。

 たった三ヶ月前の事なのに。

 こんなにも自分が変わってしまったのに全く驚かない。

 全て受け入れようとしているからか。

 いや、だめだ。まだ魔獣の魂を捨てる訳にはいかない。

 また何が起こるか分からないのだから。


 自分の中にある魂の葛藤をしていると公園の入り口より、この世界にはないはずの魔力を感じとる事が出来た。

 どうやら匂いで嗅ぎ分けられるようだ。


 気になったラブは魔力の匂いを魔力によって追跡する事にした。

 愛や三月が気になり顔を向けると、知り合いに会ったのか三人でお喋りをしている。

 この場から少し離れた場所で嗅ぎ分け追跡を実行した。

 二度失敗はしたが結果ちゃんと嗅ぎ分ける事が出来た。

 これはまさか魔王カイゼルか。


 どうやら向こうも此方に気づいたらしく、相手側から来てくれる様だ。

 しばらく待っていると赤髪で目つきの鋭い男が辺りを見回しながら歩いてくる。

 男は立ち止まり微弱な魔力にて探知魔法を使っているようだ。

 今、確信に変わった。

 ラブはカイゼルの後ろから現れ同郷の魔王に対し、低く凄んだ声で言葉を発した。


 「やはり貴様か・・・」


 魔王カイゼルは振り返りキョロキョロ周りを見回した後、ようやくラブの存在に気づいた。


 「まさか、あの魔力はお前なのか?」


 「久しぶりじゃな。小僧」


 魔王カイゼルはあきらかに動揺している。まさかここで儂と出会うとは思ってもいなかったであろうな。


 カイゼルは動揺するなかラブを指差し今、心に芽生えたたった一言を思っきり叫んだ。


 「お、おま、お前は、誰だーーーーーーー!!!」


 

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