第一話 目が醒めると…
二作目というか一作目は半分は投稿テストです
一作目も書いていきますが、本命はこちらです
目が醒めると、そこはおとぎ話の世界だった。
…っていうのはよくある冒頭だよな。
多少の差異はあれど、異世界モノのファンタジーな物語では、使い古された文章だ。
とするならば、異世界に行った者は当然、この慣例に従って、最初に言わなければならない台詞がある。
「ああ、これは夢か」
と。
んで、今俺は異世界にいるわけだ。
何故か妙に冷静な頭で、昨日(?)あったことを振り返る。
朝起きて、顔洗って、飯食って、学校行って、飯食って、帰ってきて、飯食って、風呂はいって、課題やって、ちょっとゲームして、歯磨きして、寝て、目が醒めたと思ったらあたり一面草原だった。
それだけならまだ異世界だとはおもわないが、自分が今異世界に居ることを分からせるだけの出来事がある。
人はいるには居たが、というか居すぎる程だが、その人たちには話し掛けられそうもない。
その理由は、あんまり言いたくないので後回し。
現実逃避したいお年頃なのさ。
そんなことより、俺の隣には可愛い可愛い妹がいる。
妹は今異世界に居る、何てことも知らない様子で、すやすやと眠っている。
…ああ、そうか。
可愛い妹が隣に居るから、俺はまだ冷静でいられる。
妹の前で取り乱したら、格好がつかないからな。
ともあれ、そんな俺のなけなしの冷静さはそろそろ限界だろう。
俺達兄妹は、一刻も早くこの場所を立ち去らねばならない。
異世界からもそうだが、それ以上にこの場所から、さっさと退散しなければならない。
なんせ、今俺の目の前では…
「ああ、これは夢か」
戦争をしていたのだから。