クリスマス・ガール 12月22日
イルミネーションで彩られた商店街を、五十人分のケーキの材料の入った重いダンボール箱を抱えて歩く。
この往復作業は何度目だろうか、しかしこれで最後だ。
刺すような寒さとはまさにこのことか、身を縮ませながら白い息を吐く。
「手伝ってもらっちゃってすみません、雅さん」
明日は祝日だ、ならば年末に向けた最後の稼ぎ時はまさに今なのだが、そんな時に青葉の手伝いをしてくれる和服の美女は、この寒さでも柔和な笑を崩さない。
僕よりも重量のある箱を運んでいるのにね・・・・・・。
「いいのよ、でも、あの話はやっぱり気が引けるわ・・・・・・こっちから言ったのに、ごめんなさいね・・・・・・」
雅さんは遠慮深い人だ、お礼と言っても受け取ってもらえるかわからない、だから僕は借金の返済を待つように懇願するかのような態度で明後日の予定を取り付けた。
そもそもが楓ちゃんの希望だ、承諾すると遠慮しながらも喜んでくれた雅さんを見れば、やはり気分も良くなる。
「でも、やっぱりお礼ですし、僕は雅さん達と過ごせれば・・・・・・って思ってたんですよ、あんな事もありましたし・・・・・・」
イブに親子水入らずの空気を楽しんでもらいたい、という考えはあったが、その親子が僕を誘いたいなら断る理由もない。
「そういうことなら、うん・・・・・・それじゃあ、お言葉に甘えさせて頂くわ、当日は楓共々よろしくね」
吹っ切れたのか、折れたのか、なんにせよ納得してもらえたなら問題ない。
満面の笑みで答えた。




