クリスマス・ガール 12月20日 夜
五十二人。
私が入ってからの合計来客数がそれだった。
むむむ、まだ足りないなあ……でも、かなり入ったと思う、チラシ配りはやっぱり効果があったようだ。
青葉ちゃんと二人で、店の掃除をする。
青葉ちゃんは機械の簡易清掃しながら、床のモップ掛けをしている私に今日の店の様子を聞かせてくれた。
「本当、目が回るような忙しさってものを思い知ったよ……」
心底疲れた様子で呟く青葉をよそに、今度は学校で配ってみようなんて考える。
「まあまあ、儲かったんだしいいじゃない」
笑いながら言う私を睨みながら、一人で大変だったんだからなんてぶつぶつ言っている。
「チラシ、あとどれくらいあるの?」
「一応全部配ってきたよ、新しいの作って、学校で配ってみようかなって思ってる」
「ふぅん……あ、無料券とかは作っちゃだめだからね、それだけ守ってくれたらいいけど……」
「はいはい」
それ以降ほとんど会話もなく、黙々と掃除を進める。
テーブルを拭く作業に移った青葉ちゃんが急に、今日は送っていくよなんて言い出したものだから少しびっくりした。
「え、いいよ別に、疲れてるでしょ?」
「今日は外食するから別にいいの、それに、今日は結構遅くまで店開けちゃってたから、やっぱり女の子の独り歩きとかさせたくないし……」
「私を送った帰りは青葉ちゃんが一人なんですがそれは……」
「……僕は女の子って年でも……ない……から」
言いながら悲しくなったようで、だんだん声が小さくなっていた。
まだ二十歳なんだし、別にいいと思うけどなあなんて考える。
そんな店内の空気がどこか居心地よくて、お給料なんて貰えなくてもいいかもなんて思ってしまったのは、やっぱり青葉ちゃんには言わないでおこう。




