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喫茶『Amulet』の日常  作者: 桐沢 綾
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クリスマス・ガール 12月20日 昼

結局、私と青葉ちゃんの案を足して二で割ったようなチラシが出来上がる。


コンビニのコピー機が何枚もの紙を吐き出す音は、一定のリズムを刻む。


あとはこれを駅前や店の近所で配ろう、そうすれば、きっと少しは集客が見込めるだろう。


機械音が途切れたと同時に、ディスプレイにはコピーの終了を示す文字が表示された。


二百枚の紙の束を抱えると、これを配り終えるのに何時間かかるのだろうと少し憂鬱になる。


長時間コピー機の前に張り付いていた私を迷惑そうに見る店員を無視して店を出た。


日曜の昼、肌寒いがチラシ配りには絶好の時間帯だろう。


駅から扇形に広がる階段を降りる。


普段遠出するときに使うこの駅で、まさか自分がこんなことをする羽目になるとは思わなかった。


笑顔を浮かべながら、道行く人に、お願いしまーすなんて言ってチラシを渡してみる。


無視する者、会釈だけして受け取らない者、興味本位で受け取る者。


都会は他人に無関心な人が多いなんて聞くけど、そこそこ発展していた地方都市から出てきた私にはあまり差は感じられない。


地道な作業に、早くも気が滅入る。


これでタダ働きだった日には笑い話にもならない。


一通り配り終えたら、店に戻って温かいココアを飲もう。


きっとそれくらいなら、タダで飲ませてくれるだろうから。


ほとんど減らないチラシの束を見つめながら、再び作り笑いを浮かべながら、今度からはなるべくチラシを受け取ってあげようと思うのだった。


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