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1-2 調査難航?

飯田の部屋を後にした僕は、駅前の喫茶店に入った。

夕方の店内は、やはりどこの店も同じなのか、混雑していた。

僕は適当に注文を済ませ、空いていた席に腰を下ろす。

「さて、と……」

僕は飯田の部屋から持ってきた携帯を手に取る。

流行りのスマートフォンではなく折りたたみ式のものだ。

とりあえず手掛かりになりそうな情報を少しでも入手したい。

千鶴のカンが当たっていて、本当に"アレ"関係なら、ただの人探しでは終わらない。

"アレ"というのはいわゆる妖怪のことである、あまり大っぴらに話す内容でもないので、僕も千鶴も"アレ"と呼んでいた。

パスワードロックや指紋認証などはなく、すんなりと中を見ることができた。

液晶に映し出された不在着信73件、新着メール1000件の文字に気が滅入る。

「どういうことさ1000件って……受信フォルダ満杯じゃないのさ……」

もともとマメにメールをチェックするタイプではなかったのか、あるいは心配した友人たちからのメールか、はたまたその両方か。

一番新しいメールは今朝届いたものだ、差出人には有名な出会い系サイトの名前が表示されている。

「……メルマガも電話帳登録して友達多く見せよう大作戦?」

僕も昔やった、友達がほとんど皆無だったから、やはり見栄を張りたくなるのだ。

メールに記載されたURLをクリックすると、サイト内の受信メール確認ページに飛ばされた。

1000通ものメールが来ていた人物と同じ人物の受信数、1件という、極めて常識的な文字が目に入った。

該当するメールをクリックする、差出人はHAL、女性だろうか?

HAL「Eさ~んっ!最近メールのやり取りができなくてHAL寂しいよぉ(謎の絵文字)」

…………。

見なきゃよかった、何この女、男に媚びればいいと思ってんの?

わざわざネットでまでちやほやされたいのかよ、現実でも媚びまくりでちやほやされてさぞかしおモテになるんでしょうねぇっ!

……いかにも男慣れしてそうな文を読んだからか、心の底から反抗してしまった、このまま携帯を叩き割ろうかと思ったほどだ。

あ、いや、もしかして僕もこれを真似ればモテたりするんじゃなかろうか。

二十年生きてきて未だ男性とお付き合いしたことがない僕に足りないのは媚びる精神なのではないか?

いやまて、それはつまりプライドを捨てろとう意味では……っと、脱線してしまった、頭を冷やそう、少し調査は中断だ。

文面から察するに、HALと飯田は何度かやり取りをしているのだろう。

このサイト内での飯田とHALのやり取りを見て、僕も女子力とやらを上げる努力をしよう……。

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