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ワールドウィズアウト・エンド  作者: syabato
episode001(上)
9/22

008

「エレン援護、《リザーグレード》B、幻惑魔法!」

「了解シグル君、マジック《ブール・デジウーマ》!」

 最後に残った《リザーグレード》に向けた幻影スキルがヒットし、その後の俺の《剣術スキル》《ネハーレンガ》がヒットし《リザードグレード》は倒れた。

「お疲れ」

「そんな疲れてないわよ」

「まだ、もうちょっと大丈夫ってとこかな。

 ああ、そうですか。

「如何する今日はもう暗くなってきたから家に戻る?」

「そうだね、でも帰る前に夕飯買わないと」

 ケネディワの基本ステージはららぽのある豊洲だ。他のプレイヤーもららぽ周辺のマンションなどに寝泊りしている。基本的に俺達以外、現実と同じ家を使っているものはいない。シーニャと俺、エレンは三人でシーニャの家に寝泊りしている(と言っても俺の家はシーニャと壁なしのつながりになっているので俺は自分の部屋で寝ている)。

 俺達が冒険に出てから早一週間と三日が過ぎた。世間一般的に言うと十日だが。

 このゲームにもギルドと言うものがあるらしいがまだ誰も作っていない。それ以前に作り方が教えられていない。当然のことながら俺達は三人旅だ。

 基本的に移動方法はエレンの職業《与魔術師エンチャンター》の基本魔法の一つ《チェジプレイス》で移動している。

「ほら、何してんのシグル君もう転移するよ」

「ごめん、考え事してたわ」

                ※

「今日の夕飯何にする?」

「そうだね今日は結構稼げたから、ハンバーグがいい」

 ケネディワは基本的屋内と屋内が転移装置で繋がっている。では東京から北海道までひとっとびなのか、と訊くと。エレンは「答えは否だ!」とか言っていた。本人の話によると基本的東京から東京までしかワープできないし、序盤はまだ二、三キロくらいしかワープできないとか言っていた。

 なので俺達は一番近いスーパーまで移動し、買い物、と言った形である。

「ハンバーグって結構作るの面倒だと思うよ、シェフ」

 俺のサブ職が《料理人(クッカー》なだけあって二人のめしも作ることになっている。

 まあ、その点は現実で作っていたので変わらないのだが。

「大丈夫、ハンバーグくらいならまだ簡単なほうだから」

「そうか、ならハンバーグでもいいな」

「よーし、今日は肉だー!!」

 うれしそうだな、この人。

                ※

「よし、食べるか。いただきます」

「いただきます」

「いっただっきまーす」

 今日の夕飯はハンバーグにスープ、ポテトサラダにライス。

 ライスだ、お米ではない。

「おい、エレン。ご飯のときはテレビ見るのやめなさいって言ってるだろ」

 ぶーぶー、けーち。とか言ってテレビを消そうとしなかった。

『では、ここで《勇者》の方々に向けてのニュースです』

 この世界では現実世界のニュースのほかに、こっちの世界のニュースもプラスして放送されている。

 大体、現実世界でのニュース番組が終わった後にNPCのニュースキャスターがその日の俺達に対してのニュースを読み上げる。と言っても毎日あるわけじゃないので、こまめにチェックが必要だ。

 今日はちょうどその日だったらしい。

「やっぱり、そろそろだと思ったよ」

 エレン、今日情報が出るってこと知っていたのか。

「で、何のニュースなんだ」

「そうよ、教えなさいエレン。あなたは教えなきゃいけない。元GMだったんだもの」

「ま、見てなって」そう言いながらエレンは、もう既に半分以上食べていたハンバーグの残りを食べていた。

『《勇者》の方々は、明日、午前四時より、ギルド作成が許可されました』

「ギルド、作成?」

「ですか?」

「そ、ギルド。他のRPGとかMMORPGとかであるでしょ。ギルドだよ、ギ・ル・ド」

 ギルド、確かに多くのMMOに出てくる組織だな。確かに攻略にはギルドが必要だな。一人より二人がいいさ、ってね。

「で、そのギルドは何人から作れるの? エレン」

 うーん「基本的には三人からだよ。小規模から大規模まで」

「三人か。じゃあ、俺等作れるじゃん、ギルド。でさ、ギルド作るのにお金かかったりするのか? ほら、後さギルドの本拠地ってか、そんなとことかもいるんじゃないの。そこのとこ如何なの?」

「あう~、もう、質問攻めにしないでよ、答えるのめんどくさいな。…………えっと、なんだっけ。お金かかるかだったっけ。答えはYesだよ。人数関係なしに作るのには六千円かかるね、これは絶対だよ。ギルドの本拠地は基本なくてもいいけどあっても損はしないかな。建物によるけど、ギルド用の部屋があったりする建物もあるよ」

「そんなんだ、結構お金、かかるんだな」

「そうだね~」

「で、どうするの? シグル」

「お、俺~」

「そ、あんた」

 俺か、俺は……

「作ってもいいと思う。…………と言うか作ろうぜ。俺達の、俺達による、俺達のため。いや、この世界の皆のためのギルドを作ろう」

「いいね、いいね。それでいいよね、シーニャん」

「うん、私も言いと思う」

 そんなこんなで、俺達のギルドを作ることになった。

 幸い、俺達はお金に余裕があったのですんなりギルドが作れると思う。

 だが、俺達は大事なことを忘れていた。


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