表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワールドウィズアウト・エンド  作者: syabato
episode001(上)
2/22

001

《ケネディドワード・リンク》これは七月十一日に発売された十二歳以上対象のRPGだ。

 この世界では。異世界から魔王サタン率いる軍が侵略に地球にやってきた。

 日本は東京都以外がほぼ侵略されていた。魔王軍は東京を恐れていた(何故は分からないが)。俺たちは解放軍となり、魔王を倒さなくてはならない。

 俺はこのゲームの終わりは魔王討伐だと思っている。

『「キャー」

「に、逃げろー!」

 今、人類は魔界のから現れた魔王の軍に侵略されていた。

 《ケネディドワード・リンク》いよいよ発売』

「いよいよ今日発売だな」

                    ※

 始めに言っておく、これは夢だ。

 どう考えてもこれは夢だ。

「さて、どういうことなのかな、これは」

「私に訊くな」

 いつも通りの冷たい表情で答えてくる。

「そうだよね、わかんないよね」

 普通そうだよね。

取説とりせつとかないかな?」

「一様バッグがある、中にパッケージ入れてたはずだから。中には入っていると思う」

「何でバッグがそのまんまあるの?」

 当然なことを訊いてみる。何故こんなとこにゲームのパッケージがそのままあるのか(in bag)。

「私も分からないけどさ、現にバッグがそのまんまあるんだし。たぶん中身もそのまんまでしょ」

 そう言うといつも持っているくすんだ赤色のバックを見せてきた。確かにバックにはついさっき一緒に買った《ケネディドワード・リンク》のパッケージが入っている。

「ホントだ、入ってる」

「あんたの持ってたカバンは?」

 ああ、そういや俺もバッグ持ってたな。一様見てみる、さっきと変わらない中身が。ちゃんと中にはゲームが入っている。

「まあ、ちゃんと入ってるな」

「な、入ってるだろ」安心だ、そんな風に俺に笑顔を見せてくる。そんな笑顔されてもこの状況では何の意味もないのだが。

「入ってるのはいいけど、ここどこだよ」

「私達のすんでるとこ。さっきゲームショップで買って私の家でゲーム立ち上げたよね」

 それは分かっています。十二分じゅうにぶんに分かっています。

「じゃあ、あの目の前に広がる、モンスターの軍団は何?」

「コスプレ、とか?」

 どう見ても、コスプレじゃないよね。

                    ※

 俺達二人は今日発売された《ケネディドワード・リンク》というゲームを買ってそれを立ち上げ、キャラクター設定をし、物語が始まる、そんなところで記憶は途切れている。きっとそこでこの世界に入り込んだのだろう。

 今いる場所は俺達の住んでいる所だ。見たところ近くのショッピングモールかな。そこから見える景色は、目を疑うものだった。なにせ、トカゲと人間が入り混じったような。生き物がいる、RPGなどでよく見るリザーマンのだろうか。盾と剣を持っている。物騒ぶっそうだな。

「これって今日発売されたケネリンのゲームの中だよね」

「どうしてそう思うのよ」

「前、雑誌でこれと同じようなモンスターが出るって書いてるの見たから」

「ふーん」

 そう考えるのはおかしいのだろうか。おかしいだろうな。だって現実には考えられないからだ。ゲームの中に入り込むなんて、そんな話聞いたことない。せいぜいアニメやマンガの中の話だ。

 そんなことを考えていると急に空が暗くなった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ