016
※
「ねえ、エレン。シグルの使ったスキル名って何?」
「あれはね、《愛のスロットル》って言ってね。約0.001%ぐらいの確立でライフが全回復するんだ」
「え? 約百分の一?」
「十万分の一ですよ。そんな低確率のスキルをこなすとは。城之内かよ、まったく」
「え?」
「何でもありませんよ……」
※
「さーって、よくもまあ、好き勝手やってくれたな」
俺達はアスタの竜から降りた。
「ライフ全回復って、腐っています。ありえないです」
やれやれ
「自分の目で見たものくらい信じろよ、俺からしてみたら魔法少女のほうがありえないんだけどな」
そう言いながら俺は少しずつ少女に近づいていった、その分少女のほうも後ずさりする。
『魔法少女じゃないよ、俺達は、ヒーロー計画でなしになった企画、その名も《真実の魔道人工作製》』
俺は驚きを隠せなかった、なんて言ったらいいのだろう。開いた口が塞がらない、使い方あってんのかな。
「作製って、商品やモノじゃないんだぞ」
『商品だよ』
淡々と話を続けるステッキ。
『俺達は、元は海外に売られるために作られたようなものさ』
「で?」
『え?』
あ、聞こえちゃってたのかな?
『俺の話を聞いてもなんとも思わないの?』
「別にお前が生まれたルーツなんか知って、かわいそうとは……思わねえよ」
何だ、動揺でもさせたいのか?
「いい、ダイアあの人、気が付いてない。結構バカ」
「なんだと? ふざけてるのか? …………ああ、俺が気が付いてないってそのステッキが何かちゃっかり《俺達》って言ったことについて、か」
すると少女はうちの息子が喋った!? と言いたいような顔をしてこっちを見ている。結構イラっとするな。
「もしかしてあたし、蚊帳の外?」
「安心しろ、お前は蚊帳の外どころか大気圏の外だ」
そう言いながらアスタの肩叩く。
「じゃあ、戻れアスタ」「え、ちょ、あたしあんまり今回活躍してなく……」
俺は魔道書にアスタを封じ。手の甲に触れデータをオブジェクト化する。
「頼むぜ……」
そう言いながら俺はオブジェクト化したそのモノを地面に置く。
「あれは……」
俺が地面に置いたものを見てチャカモトはものすごく驚いてる。まあ、そうだろうな分かる人には分かるんだよな……
「知ってるのチャカモト」
「ええ、知ってるも何も…………あれは、ウルトラマンベリアル!」
そう、これはウルトラマンベリアルの人形だ。
「この生贄により、俺は新たなる悪魔、72柱の内の一体ベリアルを召喚する!!」
人形を中心に陣が浮かび上がる、
『また俺を呼び出したのか……」
「悪いねベリアルさんまた、あんたの力を借りるよ」
『十分千円」
「おいっ!」




