015
わぁ、すごい怒ってる。
「裁きの雷!!」
アスタと俺に向かって杖を振りかざしてくる。
あれ? 雷が杖から出るんじゃ……?
そう思ったのもつかの間、空から雷落ちてきた。
そ、そっちか――――――――!!
やばい、避けるぞ!
無理よ、間に合わない。
嘘だろ……
見事に直撃、「ぐあぁぁぁぁぁ―――!!」「きゃぁ―――!!」
やばい。もう、ライフがイエローゾーン……しかもさっきの雷で頭が、しかもこのままだったら、落下の威力で…………。
「ドラゴン、クッションになって……」
アスタが乗っていた竜にそう、命令する。最後の力を振り絞りだろうか、竜はまず俺達より先に地面(屋上)に向かって落ちてゆく。
ドーンといった鈍い音が聞こえたかと思うと、すぐに砂煙が立ち上がった、そしてそれから約数十秒後俺達も地面へ(といっても竜の腹の上だが。
ついにヒットポイントバーはレッドゾーンへもう、ライフないんじゃと思うほど減っている。やべぇほっぺたつねられただけでも死ぬかも。竜いなきゃ死んでた。
「やわらかいクッション流石アスタのりゅぅぐ!」
俺の上にアスタがジャストミート。
「ちょ、あんた、人間の癖になに私の胸に顔押し付けちゃってんの!?」
「しゃあねぇだろ、第一何勝手に人の上に落ちてきて文句言ってんだ、俺がクッションになってやってんだからいいだろ」
「いいけど…………」
「あとでいっぱいいいことしようぜ」
「シグル…………あんたまさかまた私で…………欲求不満を解決しようとしてない?」
俺は右手をアスタの髪に手を回し、
「そんな事、するわけないだろ。今まで俺がそんな事、したか?」
するとアスタは何か思い出しながらそんな事、ないけど。
「かわいいな、アスタは」
「そんな事言っていいの? …………食べちゃうぞ」
「アスタは、そんな事しないだろ」
「シグル…………」
ピーン、ピロリロリーン
俺とアスタのライフが全回復した。
「うそぉ!」
「これが俺とアスタが生み出した、ライフ回復技。《愛の回復》だ!」




