014
俺の呼び出した悪魔彼女は巨大な竜にまたがり俺の前に現れた。
「ちょちょ、アスタロトさんかぶってるかぶってる、って懐かしいなこのネタ」
俺が小学生ぐらいのときだったけな。
「あら、呼び出しておいて、ひどいんじゃないの? こんな美人と共闘できるんだから良いじゃない」
まったく、「そんなこと言うならアモン様に代わってもらうぞ! ソウルチャージってか?」
「え、やめてよ。てか、ソウルチャージって何?」
やっぱり悪魔にこういったネタは通じないか。
「やめときなさいシグル、悪魔にカードネタ言ってもわからないわよ」
結局シーニャだけか、わかったのは。
「何これ、すごい。竜? でも上に人のようなものが見えるし……」
そう言いながらレイヴはものすごくおどろいた顔をしている。
『すごいぞレイヴ、この男ソロモン王の72柱のうちの一体を召喚しやがった」
「知ってるの?」
『知ってるも何も、結構有名だよ72柱は』
「どれぐらい強いの?」
『ぶっちゃけ、かなりだよ。何者なんだこの男』
さて、そろそろ倒さないとな、みんなも速く終わってほしいと思ってるだろうし。
「じゃあ、頼んだよアスタ!」
「アスタ呼ぶな!」
さっきの仕返しだ! と、言わんばかりに俺は腹をめがけて殴りかかる。
「グッ…………ハ」
クリティカルヒット、のようだな。
レイヴのヒットポイントバーはあまり減ってないが、お腹を抱えて地面にひざを付けかけているデータ上ではライフは減ってないが、肉体面ではかなりライフを削れたようだ。
『ごめんレイヴ遅れた』
ダイアはそう、悪びれたように言った。
「大丈夫、次避ければ」
心配ないと言う言葉が続きそうないい方だな。
どう考えても大丈夫じゃなさそうだがな。
「次は無いぜ」
彼女のためにも一撃で終わらせたほうが良いかもな。
アスタ、頼むぜ。
了解。
常時発動スキル、《テレパシー》、このスキルのおかげで俺とアスタは常につながり続ける。
心の面で。
「焼き払え」
アスタはそのように竜に命じた。
レイヴの身には紫色の炎、が、その炎は一秒ともしないうちに消えてしまった。
「水の魔法!」
彼女の周りには水のベール、そして水が炎を消した。
追加ダメージは与えられなかったか。だが、水のベールが遅れたのか、レイヴの服は少し焼け焦げ、右腕からは血が、だがなぜ血が……
まさか!
俺を連れて空へ上れ何か仕掛けてくるぞ!
了解、今回は命令ばっかりね。
俺を服をひっぱり上げ竜は飛翔した。
だが、空高くまで上ってきてもレイヴは呪文をやめようとはしなかった。右手に持ったステッキはもう遥か空へと飛び立った俺たちに向けられている。あくまでもあきらめていないつもりだ。
しかし、何をするつもりだ?
俺はアスタに竜の上へと上げてもらってしっかりと下の様子を見てみる、今のところおかしなところは……
何だ……あれは、レイヴの頭上には色とりどりの光の玉が。
「たった、たった一瞬戦いを制したからと言って、図に乗らないで、くださいよね!




