012
「へぇ、ちゃんと来たんだ。逃げもせず」
五分後、俺たちの住むマンションの屋上についた。
さすがに屋上にもなると高いな、かぜが気持ちいよ。
今回特別にエレンに屋上を開けてもらったのだが、良いな此処、これから暇があったら此処に来るとしようか。
「別に、あなたみたいな雑魚と戦っても得るものは無いと思いますが……かわいそうなので戦ってあげましょう」
「それはどうも。
まあ、御託はいいさ、はじめようぜ」
「そうですね」
「さあ、ショーの時間だ!」
俺はプレイヤーレイヴに《One One》バトルを申し込んだ。
返ってきた返事は、《Yes》。
目の前にカウント
5…4…3…2…1…Fight!
ケネディワの戦闘スタイルは他のMMORPGと同じだ。ドラクエのようなコマンドでは無く、どちらかと言うとファンタシスタとか、VRMMO小説とかだったらSAOとかログホラのような感じだ。
「あなたは、武器持たないのですか……。
手に持っているものから考えて《僧侶》、といったところでしょうか」
「そういう君は、《猛獣使い》といったところかな?」
「ダイアが見えているのですか」
見えてる?
「驚きだね、レイヴちゃん、この男、俺のことが見えてるらしいよ」
「見えてる? どういうことだ?」
「まあ、今はそんなことより、戦いだ」
レイヴの顔の右隣にいる(う、浮いていやがる)フェレットに似たような動物はそう言いながら、星の付いたステッキのようなものに変形(……? いや、変体か? )した。
「まさか、それで変身するんじゃないだろうな」
「ご名答」
そう言いながらステッキになったフェレット風の生き物を持ち上げ。
「蒼きグラファイト、私に、力を、敵にチェックメイトを」
そういいながらレイヴの身に青い光がまとわれ、魔法少女お決まりの変身シーン。
「魔法少女ダイア・レイヴ、華麗にあなたを撲殺します」
キメ台詞こわいよ。




