011
俺達がギルドを作って早三ヶ月が過ぎた。
結局メンバは一人しか増えていない。
「シグル」
「如何したチャカ本」
「坂本な」
「第一なんでお前坂本なんだよ、この世に坂本さん何人いるとおもっとんじゃワレ」
こいつは新しく俺達のギルドに入った《坂本》《聖騎士》だ。年は二十歳過ぎらしい、男同士ということもあってかすぐに意気投合、という訳にもいかなかったがまあ、それなりに仲良くやっている。
「えっと、なんだったっけ。チャカ本」
「よし、もう突っ込まない」
あきれられた。
「新しくギルドに入りたいって人が二人」
「おう、それはセットか?」
「セット?」
「二人一緒に来たのか! ってことだよ」
ああ、と言いながら坂本は納得したように説明してきた。
「女性の二人組だ、歳はお前と同じくらいじゃないかな」
「そうか」
このギルドが出来て三カ月、ようやく女性の新メンバーか。
三か月あったらもう大規模ギルドでは百人超えるところだってあるっていうしな、俺らの知名度どんだけ低いんだよ。
そんな風に暗いことを考えながら、面接室、もといい俺の両親の部屋へ移った。
両親の部屋といっても今は机といすしかなく、人が寝る寝室と言うにはかなり遠いい。
基本的に俺の家をギルドの活動場所、シーニャの家を俺たちの寝泊まりする所と決めている(坂本は近くに家があるとか言ってた)。
コンコンッ。
ノックをして部屋に入る。
「失礼します、ギルドマスターのシグルです」
見てみると確かに俺くらいの歳の女の子が二人座っていた。
「は、はじめまして、ち……じゃなかった。えっとチホです」
うん、チホさんそれはきっとリアルネームだよね。
「はじめまして、レイヴです」
チホと名乗った少女はレイヴと名乗った少女よりも若干身長が高いが、少し幼い所もあるのできっとレイヴと名乗った少女よりも年下だろう。チホ(ちゃん? さん? どっちで呼べばよいのか)は肩くらいの長さの髪を左右で束ねている。
レイヴと名乗った少女も肩くらいまでの長さの髪だが、金髪で髪をピンで止めている、目も少しばかり青いハーフでしょうか、いいえ、俺の好みです。
「あなたがギルドマスターですか、そうは見えませんね」
失礼な。
「あの、レイヴさんそれはどういう……」
「あなたはギルドマスターの器にふさわしくない、と言うことです」
失礼すぎるだろ、この子。
「そうですか、如何したら器にふさわしい男に成れるのですか?」
「《One One》バトルで私を倒したら、認めますよ」
ずいぶんと、「ずいぶんと自信が有るようですね、この俺に勝と言う自信がぁ!」
俺たちの会話を聞きながらチホはオロオロしている。「レイヴちゃん駄目だよそんなこと言っちゃ、わたし達の方からギルド(?)に入れてくださいって言いに来たのにそんな喧嘩腰じゃぁ」
「うるさいチホ、今からコイツと私が戦うの静かにしといて」
「それじゃ、五分後屋上で待ってる、逃げるなよ」
「逃げる訳…………ないじゃない」




