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ワールドウィズアウト・エンド  作者: syabato
episode001(上)
11/22

010

 

 ガサ、ゴソ

 なんだろ、急にうるさくなった。

 しかも急に体に重みが。

 まさか、これが俗に言う、金縛り!

「ふふ、寝てるなシグル」

 ん、この声って。声が小さくて何言ってるかあまり聞こえないな。ちょっと様子を見てみようか、いや、見ないほうが良い、マジで幽霊だったらものすごく怖いんですけど。

 ガサゴソ、ガサゴソ。

 やばい、幽霊何かしてるよ、何してんだよ、何かガサゴソ言ってるよ、怖! すんげえ怖!

                ※

「ねえ、エレン。昨日さ、夜になって寝たじゃんか」そう言いながら、俺は朝食のトーストを口に運んだ。

 今日の朝食はパン派のエレンが駄々をこねるので仕方なくだ。

 全く、俺はご飯派なのによ。

「うん」

「寝て、しばらく経ったんだよ。で、物音で目が覚めたら、何か幽霊見たいのがいてさ」

「幽霊?」

「いや、ほんとに幽霊か分からないんだけどさ、何か『ふふ、永眠させてやろうシグル』みたいなこと言ってた」

「永眠? 幽霊? ゴースト系のモンスターとかかな?」

 そういえば、さっきからシーニャ静かだな。

「なあ、シーニャもあったの幽霊?」

「えっ! あ、いや、その」

「ちょっといいかな、シーニャん」

「え、俺は?」

「君は後で」

                ※

「シーニャん、昨日シグル君の部屋に行ったよね」

「言ってない」

 はあ、だからあたしはシーニャん達の思考が読めるんだって。

「夜這いか? 夜這いだよね。ふざけてんのか。彼氏いない歴=(イコール)年齢のあたしに対して嫌がらせか? あぁん!? ふざけてんじゃねえぞ」

「いや、そんなんじゃなくて」

「なあ、あんたさシグルのこと好きなの如何なの」そう言いながらあたしはシーニャんの胸倉をつかんだ。

「す……好きです」

「よく言った、好きなら許す」

「え!?」

「あたし、シーニャんが本当に好きなのか確認しただけ」

 そっか、そうなんだ。やっぱ、好きなんだな。

                ※

「ねえ、エレン結局なんだったの?」

「幽霊、だっけ大丈夫だよ。だってここ、ゲームの中だよ」

 そっか、そうだな。ここ、ゲームの中だもんな。

「じゃあ、さっさと飯食って。皆でギルドの申し込みに行こうぜ」

「そうだね……」

「うん」

 …………。

「如何したの? シグル」

「ギルド申し込みってどこで出来るの?」

「ららぽ、だよ」

「オマエららぽ好きだな、他の奴もららぽばっか」

「いいじゃん、近所だから色々設定とかしやすかったんだよ」

 そうなんだ、そんなモンなのか?

                ※

「はい、確認しました。《真夜中の星星》の方々がんばってください」

「ありがとうございます」

「よし、《真夜中の星星》活動開始だ!」

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