八等級勇者め、この世界の真の恐ろしさを思い知れ!「何それ!?シリーズタイトルなんですか!?」
八賢者は賢者×8になる
「星空上の大戦争」または、「恒星戦争」のどちらかをお読みになってからこれを読むことをおすすめします。
ミミズの魔王が倒されてから2億年の月日が流れた。
八賢者と準賢者、そして魔王に乗り移っていた太陽は、太陽系にてなにやら会話をしている。
(ここからは誰が喋っているのか全くわからないので台本形式にします)
太陽(以下、陽)「貴様ら、なぜ賢者のくせにあんなに馬鹿だったのだ?」
ジュピター(以下木)「あんなにって、勇者達と戦闘したときか?」
陽「そうだ。何故貴様らはあんなにバカヤロウなのだ」
マーキュリー(以下、水)「バカヤロウとは失礼な!私達は賢者ですよ!!」
陽「知るかそんなもん。なら、我が出す質問に正しく答えるのだ。ていうか、素直に答えるのだぞ」
水「はい」
ヴィーナス(以下、金)「はい」
アース(以下、地)「ああ」
マーズ(以下、火)「はい」
木「ああ」
サターン(以下、土)「へい」
ウラヌス(以下、てん)「いいだろう。本気でかかって来るがよい」
ネプチューン(以下、海)「じゃあ早くしろよ」
陽「それでは質問を始める。まず一つ目だ。貴様らの職業を教えろ」
木「わかるだろうが、賢者だ」
陽「次の質問だ。賢者というには貴様らは馬鹿過ぎないか?ということに対し、どう思う?」
水「いや、別に何も」
金「私も同感」
地「馬鹿なのはお前の方だ、と私は思うが」
火「酸化鉄をぶちまけますよ」
木「さあな。私は好きでボケてるだけだ」
土「あっし何にもしてねえぜ」
天「死に足りないらしいな」
海「我には関係ない」
陽「待て待て待て!どこから突っ込んでいいか解らないやつがいるぞ!!」
木「どうでもいい。早く次に進め。私達は今猛烈に眠いのだ。それに自転と公転を同時に行わなければ ならない。けっこう神経使うんだからな」
陽「解ったよ。では次だ。…。そこの本編に出ていなかったヤツは誰だ」
木「コイツは準賢者のプルートだ。要するに賢者見習い」
プルート(以下、冥)「ちっ、めんどくせえなあこいつ」
木「ってなわけで、面倒くさがりやだ。たまに漢字変換もめんどくさがる」
陽「次だ。そんなヤツに賢者が務まると思ってんのか貴様らぁぁぁ!!」
木「いや、思ってない。だからコイツの根性を叩き直そうと」
陽「それなら本編にでも登場させやがれこのクソ賢者!」
水「なっ!誰がクソ賢者ですか!」
金「魔王のくせに生意気ですよ!」
陽「うるせえ!魔王だから生意気でもいいんじゃあ!!」
地「別に興味ないや。寝よ」
陽「待て!現実から目を逸らすな!ていうか我の話を聞けよ!!」
火「本当に酸化鉄ぶちまけますが」
陽「待て。それは宇宙のゴミを増やすだけだからやめろ」
木「クソ賢者とはひどい言いようだな」
土「環っかで切り刻むぞ」
天「そのような口をたたいたことを地獄の底で後悔するがいい!!」
陽「おい、ウラヌス!!賢者のくせに魔王じみた台詞を言うのはやめろ!しかも我の台詞と若干似てる し!!」
海「我には関係ない」
陽「おいそこ!!見て見ぬ振りを!!」
木「いいから次行けよ。私達はとにかく眠い」
陽「解ったよ。じゃあ次。貴様らは賢者のくせに何の誇りも持っていないのか」
水「持ってますよ。ジュピターさんがふざけきっているだけです」
金「ウラヌスさんも」
地「私も上の二人に同感だ」
火「サターンさんもふざけてますよ。木製型惑星はみんなクズですね。クズ酸化鉄にしてやりましょ う」
陽「おい、貴様ら仲間からそんな風に思われているぞ」
木「知ったことか」
土「別にふざけてねえぜ」
天「そんなことを言ってられるのもここまでだ!!滅ぼしつくしてくれよう!!」
海「我には関係ない」
陽「おいネプチューン、指名されていないからって寝るんじゃない」
海「zzz」
陽「ダメだコイツ」
木「いいから次行けって。私達は眠い」
陽「それ何回も聞いた。じゃあ次。賢者は本当に強いのか」
水「強いですよ。勇者達が殲滅魔法など使ってこなければ勝てました」
金「あの魔法は美しくないです」
陽「待て。ヴィーナスもベガと同属性になりつつあるぞ」
地「私の衛星のシルヴァーは強い」
陽「衛星のことは訊いてないんだけど」
火「酸化鉄の量では私が一番」
陽「そんなことは訊いてない」
木「私達は兄弟な力を持っている」
陽「強大でしょ。だからバカにされるんだよ」
土「環っかで斬りつけるんだったら最強」
陽「あの時環っかなかったから」
天「強さなど知らん。私は全てを壊すだけだ」
陽「だから魔王じみた台詞はやめろと」
海「zzz」
陽「貴様のいびきを聞きたかったわけではないからな」
木「いいから早く」
陽「では六つ目の質問だ。貴様らにとって、この世界はどんなものなんだ」
水「そのようなことは考えたことありませんね」
陽「考えろよ!」
金「美しいものです」
陽「ベガと同じだな!」
地「協調性に欠けたやつらがたくさんいる」
陽「そりゃそうだな」
火「酸化鉄の割合が多いです」
陽「鉄の方が多くない!?」
木「眠くなる世界」
陽「その答えはもういいから!」
土「不可解」
陽「貴様のほうが不可解だ!」
天「我が支配するもの」
陽「所詮貴様ごときには無理だから!」
海「zzz」
陽「じゃあ次。貴様らの座右の銘を教えろ」
水「森羅万象とか」
陽「貴様は正常だな」
金「美しくないものは恒星にあらず、とか」
陽「貴様はベガと似ているな。というか、それって逆に考えると、恒星でないものは美しくない、だよ な。じゃあ恒星でない貴様は美しくない」
地「神とか」
陽「一文字!?」
火「Fe3O4とか」
陽「酸化鉄ですね解ります」
木「睡眠欲」
陽「どんだけ眠いんだよ」
土「土星の環っかは氷の環っかとか」
陽「何それ初めて聞いた!」
天「よくここまで来たな、褒めてやろう。と、
我こそは万物の王なり。平伏せ!と、
死に足りないらしいな。と、
終わりだ。沈め!と、
闇に滅せ!と、
砕け散れ!と、
絶望の深淵に堕としてやろう。と、
お前のものは俺のもの、俺のものは俺のもの。とか」
陽「多っ!!しかも最後だけなんか違うし!!」
海「zzz。zzzz。zzz」
陽「貴様には訊いてない。じゃあ次。貴様らはこの星たちの中でどういう存在だと思う?」
水「私は一番まともですよ」
陽「そうだな」
金「美しい存在ですよ」
陽「なんだか貴様のこと嫌いになってきた」
地「神的な」
陽「確かにそうだが、自分で言うのはどうかと思う」
火「酸化鉄をたくさん持っているという誇りがあります」
陽「それ違う質問での回答にするべきだったんじゃ」
木「大きさと密度が吊りあわない」
陽「吊りあってはいるが、バランスが悪いだけだ」
土「あっしのほうが吊りあってないぜ」
陽「確かにそうだな」
天「我は魔王なり!」
陽「魔王はこっちだから」
海「ムニャムニャ。最も眠い天体。ムニャムニャ」
陽「寝ながら答えるとは、貴様、なかなかのものだな」
木「いいから早く」
陽「貴様も眠かったんだっけな。じゃあ次。貴様らには賢者であるという証があるのか?」
水「ありますよ。このクレーターだらけの法衣とか」
陽「貴様は存在自体が証だ」
金「美しさが」
陽「貴様はもういい」
地「何よりも、この生命力の多さが賢者の証」
陽「そいつらに殺されないようにな」
火「酸化鉄で真っ赤に染まった法衣です」
陽「貴様はまあまあ賢者だな。真っ赤に染めてるものが何かを考えてるから。でも酸化鉄ということに は賢者ではないぞ」
木「大赤斑の法衣」
陽「ああ。本編にも登場してたな」
土「環っか」
陽「まあな」
天「私の存在が魔王の証!」
陽「魔王の証は訊いてない。賢者の証」
海「大黒斑ムニャムニャ」
陽「こいつは多分ただの寝言だな」
木「早く」
陽「じゃあ最後の質問だ。これらを終えて何か言いたい事は?」
水「皆さんふざけすぎですね」
金「そうです。美しくないです」
陽「まともな台詞を穢しやがってこの金星が!」
地「神にふさわしくない」
陽「神!?」
火「酸化鉄の量が増えました」
陽「どうでもいいから」
木「早く寝たい」
陽「質問と関係のないことを喋るな!」
土「あ、環っかが欠けた」
陽「だから思ったことは!?」
天「私はやはり悪役に相応しいと思った」
陽「いっそのこと魔王になれば!?」
海「うるせえよ目が覚めちゃったじゃん!」
陽「すまんねホント!」
水「で、この質問で、八賢者達がバラバラなことがわかりました」
金「私達は美しく八賢者でなければいけませんね」
天「いや、その必要はない」
地「なぜだ?」
天「私達が八賢者?くだらん。バラバラならバラバラのままでいるほうがよい」
火「なるほど。私も賛成です」
木「私も酸性だ」
海「酸性ではなくて賛成だと思うのだが」
土「とにかく、八賢者は賢者×8になるということだな。へっへっへ」
水「そういうことです。では、さようなら」
陽「(なんか大変なことになったな)」
天「やはり我は魔王に相応しいのだ」
金「一人で美しく返り咲きます」
陽「ベガと共に散ればよかったものを」
まあ、とにかく八賢者はバラバラになってしまいましたが、太陽系の軌道からは外れていないようですよ。多分。
(了)